prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「マザーレス・ブルックリン」

2020年01月18日 | 映画
プロダクションデザインがレトロフューチャー調で、それを未来を舞台にするのではなく1955年という過去の設定に応用しているのが面白い。
ジャズがムーディに使われるだけでなく現代音楽的なテイストで使われるのが新鮮。
女や黒人の扱いも今のハードボイルドという感じ。

ストーリーも細かい趣向もハードボイルドものの骨法を押さえていて、探偵の親友ないし大事な人(ブルース・ウィリス特出)が殺されて捜査を始める、妙な連中が出没して捜査から手を引くよう脅され暴力が振るわれ、女といい仲になり、権力者の傲慢と都市開発に関する腐敗が絡み、過去のいきさつが解明されるなど。
ドジャースなどブルックリンから出ていけという当時のファンが聞いたら怒髪天もののセリフなど上手い。
ただそのいきさつがセリフでわーっと語られるので頭に入りにくいのと、いかんせん二時間半は長過ぎる。

何より探偵が障害を抱えていてしばしば突然とっぴな発言をしてしまうのが、ハードボイルドにありがちな“正直さ”の表現にもなっているあたりが、監督を兼ねたエドワード・ノートンの役者としての腕の見せ所にしたのだろう。





1月17日のつつぶやき

2020年01月18日 | Weblog