自然分娩専門の施設に集まる女性たちと産まれた子供たち、ほぼ唯一の男である医師を追うドキュメンタリー。
とはいえ、自然光に煌めく木々や木造建築などこの監督(河瀨直美)映像のスタイルは一貫している。
自然分娩の医学的な側面についてはさっぱり説明しないので、もやっとした空気がずうっと続くことになり、それがある種の生命感(特に出産シーンそのもの)に触れているのと同時に、正直かったるさとある種の気味悪さも併せ持つ。
出産の光景をもろに撮っているあたり「極私的エロス」と通じるところがあるが、それを見る視角がまったく違う。単純に撮る人の性差に落とし込むのは慎むべきかもしれないが、無関係ではありえないだろう。