何度も鉄道のレールの上を通っている橋を父娘が並んで渡っていく姿が写る。
歳月を刻む図とも、落ちたら危険なのを乗り越えてきた図とも取れる。
母親が死んでいても、「いない」わけではない、という理屈は説得力がある。
家族は大事だが、大事な家族の「かたち」を守るのが優先ではなく、かたちを変えながらステップを踏んで歳月を歩んでいく話。
しみじみしているけれど、家族(特に核家族)至上主義ではないということだろう。
娘が小学校高学年になって自我が芽生えると自然に父親と距離か齟齬が生まれてくる感じがうまく出た。
保育所や会社は割と理解がある方だが、それで解決するわけではないのを押さえている。
山田孝之のお父さんぶりが普通な分、独特な緊張感が出た。