「仁義なき戦い」的な複雑な人物図の中の勢力争い、広い意味の跡目争いの中で細かいツイストに腹の探り合いとどう転ぶかわからないように運んでおいて、全体としてみるとすっきりした結末に着地する。
いともお洒落で金がかかった身なりをしていて、やっていることが酷いというイギリス的なひねりとブラックユーモア。
ほとんど男ばかりのキャストの中でミシェール⋅「ダウントン⋅アビー」⋅ドッカリーの厚みのある美女ぶりが目立つ。
元はハーヴェイ⋅ワインスティーンの会社だったミラマックス(ハーヴェイの両親の名前がミランダとマックスなところからつけられた社名)に持ち込まれたシナリオとその内容が画になるメタ構造にもなっているが、芸術映画的なものものしさとは無縁で、ガイ⋅リッチーらしい細かく複雑にカットを割って再構成するフラッシュ的なアトラクション演出のうちと考えていいだろう。