「エイリアン」は最初の一作で成長につれて変態する三種類の姿を設定したわけだが、このシリーズは三作かけて三通りの姿を設定し、さらにそれを前提にして10年ぶりに新シリーズを始めた格好。
一作目ではケッサクな脇役として登場したマイケル⋅グロス扮するバート⋅ガンマーが新シリーズでは完全に主役に座った。
この五作目では舞台をアフリカに設定し、脇にアフリカ系俳優を配するという形でアップデートしている。
「ジュラシック·パーク」「エイリアン2」の要素も抜かりなく取り込み、長期シリーズ化に備えたみたい。ただその分、一作目から四作目まで安い作りのようで全部新しく工夫をこらして面白かったのとは面白さの質がやや変わった。
一作目が実に四半世紀前の製作(ケヴィン⋅ベーコンがまだ若手を抜き出てきた頃)で、特殊効果もずいぶん発達したろうに、粘液が飛び散る感じとかアナログ的な重量感はそれほど強いて変えていない。
ガンマーの銃マニアの設定は変えるわけもないが、銃器の性能を時代のままにアップするのには慎重で、手にするのはライフルにとどめている。