オープニング、バカに凝ったマルチスクリーンを使うあたり目新しいけれど、その後ぱたっとその手のギミックが出てこないのがちょっと落ち着かない。
監督のジョルジュ・ロートネルとすると職人肌の手練としての腕を見せる一方でちょっと新しがりなところも欲張って見せた感じ。
ベルモンドが警部といっても、もちろんやたらとお洒落で相手をぶん殴るのも当たり前、警察仲間に当然のように追われてはみ出し刑事通り越してワルに近い。
谷に渡されたえらい簡単なロープウェイを手でつかまっただけで渡るスタントを当然のようにやってのける。カメラマンがまた一緒に渡ってベルモンドの顔をはっきりアップで撮っている。
マリー・ラフォレがこの時40歳だけれど綺麗。ヨーロッパらしい贅沢な生活が身に着いた感じ。