女の子三人と男ひとりの人物配置とその間に働く力学が独特で、誰かが誰かを一方的に動かしている、影響を与えているかを初めからわかるように描くのではなく、動かしている者動かされている者が共鳴しているのか順序がわからない描き方をしている。
次第に子供たちの役割が誰が誰を動かしているのかはっきりしてくるのにつれて色分けも明快になる。
自閉症の姉が円形の物体を床に触れさせながら回す、いわゆる味噌すり運動をさせているのを見て、あれ?と思ったことがある。
私が小学一年だった時、同級生に今思うと自閉症の子がいてタイヤを同じように味噌すり運動をさせて動かなくなるまでじいっと見ていたものだが、そういう症状は似るものなのだろうか。
団地を舞台にしたサイキックバトルという点では大友克洋の「童夢」を思わせないでもないが(後註 監督は意識していたという)、ああ派手にはならず池をはさんで対峙する二組の周辺で乳母車の赤ん坊が泣き出したり犬が吠えたり団地の子供たちが互いにそれと知らずに顔を出したりするが、それらすべてはたから見た目にはわからない静かな範囲にとどまっている。
団地のすぐ隣に森があるという立地がすでにコントラストをなしている。
エンドタイトルが上から下に降りてくるのは、知っている限り、「THX1138」「セブン」「進撃の巨人(実写版)」に続いて四本目。
小動物が殺されるのを(多分トリックなのだろうが)はっきり描いているのは珍しい。しかしミミズを踏みつぶすのトリックかと疑う。
英語だったらこの映画では動物は殺していませんという注意書きが読めたろうが、ノルウェー語なもので。