四大元素といったら火、水、土、風なわけだが、このうち土と風は画にしにくいせいか影が薄い。
まるで「ウェストサイド物語」みたいに火のキャラクターのエンバーと水のキャラクターのウェイドが経済的格差から何から何まで対照的で、エンバーは韓国系の監督の父親がモデルらしいが、父親の言うことをよく聞く、というか聞くものだと刷り込まれているあたりは儒教っぽい。
父親が家父長らしく伝統を守ろうとしているが異国にいるせいか妻に尻に敷かれたりしてどこか立場が弱い。
一方でウェイドは金持ちだけれど、というか金持ちゆえの育ちの良さが出た。
火や水の向こう側が透けて見えたり、不規則に(そう見えるだけだろうが)ちらちら動いたりする高度な表現をさりげなくやっている。