ボクサーの前のテーブルに並んだ食事を見て、おや、減量はしないのかなと思った。今どき昔のマンガみたいな過酷な減量などしないのかもしれないが、けっこう現役のボクサーでも普通に飲み食いしている。
横浜流星のカウンターが本当に一瞬で決まる。
あと場面がぽんと飛ぶ、たとえばクライマックスの勝負がついた後じかに病室に飛んだりする。ことさらにに盛り上げるのは抑え気味。
それだけに「春に散る」とエンドマーク代わりにタイトルが出たあとまたエピローグが続くのは蛇足感が強い。惜しい。
哀川翔がいる食堂の場面で望遠レンズで観戦しているムサいおっさんたちをフラットに圧縮して見せたあと、徐々におっさんたちが立って応援しだし、終いには前に立ち塞がるようにびっしり並ぶ。
そのあたりの手順がいい。
佐藤浩一が手入れはしていないもののけっこう立派な家に住んでいるのはアメリカ帰りという設定からか。原作は未読だがどうなっているのだろう。
子供たちに教えているボクシングジムというのが出てくるのが面白かった。壁に貼られた標語からしてほのぼのしている。