世界七か国の女性監督と女優がそれぞれ作って持ち寄ったオムニバス。
「ペプシとキム」
刑務所に入っている女囚の隣についてくる女がいやに攻撃的なことを言っていると思ったら、実は薬物による幻覚であることがわかってくる。
実話で元囚人の当人が顔出ししてくる。
「無限の思いやり」
これも精神疾患らしいホームレス女の世話をする二人の女の話。
やはりモデルがいて世話役のひとりが顔出ししてくる。
「帰郷」
妹が亡くなって帰郷した姉が妹の遺娘を引き取ってほしいと頼まれていったんは断るが、娘が勝手に連絡船に乗ってきたのでやむなくというより情が移って引き取る。
「私の一週間」
杏主演。呉美保脚本監督。
シングルマザーと小学生と保育園の子供たちの一週間を描く。とにかく子供たちと自分の食事と、弁当屋のパートで作る食事と、食事の支度に追われっぱなし。
これだけ日本語なので、セリフ、というより発語がクリアに録れているのに感心する。
呉監督は八年ブランクがあるが、その間子育てしていたらしい。
「声なきサイン」
夜遅くに来た口がきけない女性と男の二人連れを女性の獣医が相手する。連れてきた犬が不自然なケガをしているのを不審に思い、女性の方が体中アザだらけなのを察して急いで警備員に男を取り押さえさせる。
はらはらさせた後ほっとさせる話(これも実話)だけれど、「午後十一時」と字幕が最後に出たときには、あれ、まだ続きがあるのかと思ったぞ。
「シェアライド」
インド製。ちょっとどういう話なのかトランスジェンダー絡みのせいもあってわかりずらかった。画面はMTV風で華やかなのだが。
「アリア」
CG製。構成上ちょっとここに置くには座りが悪い気がする。
まあ何と言うか、映画の素材、モチーフが女性の視点を入れたことでいっぺんに倍になったみたい。
前はフェミニストというとチャップリンみたいに女性に優しい男をさしたのだが、いつの間にか女性の権利を主張する女の意味になった。なんででしょうね。