中村医師に病気の次男がいたというのには驚いた。2002年に10歳で亡くなっている。
初めはハンセン病やマラリアの治療にあたっていたのが、次第により根本的な対策である治水工事を行うのに至り、さらに川の氾濫にも学ぶようになる。その展開が自然で自然に学ぶという言葉を改めて思う。
中村医師が銃撃を受けて亡くなったことは初めからわかっているだけに字幕と石橋蓮司のナレーションで運ぶ代わりの語りが、中村医師と直接やりとりする機会はないのだと思いしらされる。
何年もの時間をかけて取材していることは森の緑が次第に繁茂するところを隣に人を置いて見せることでわかる。
治水の知恵が日本の故郷の川を見本にしているというのが人間の知恵の普遍性を思わせる。