prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊」

2014年06月04日 | 映画
いきなり余談になるけれど、このシリーズ三作で技斗をつけた高瀬将敏およびその息子で後にやはり技斗師になる高瀬将嗣の経歴がおもしろいので、「技斗番長活劇映画行進曲」(高瀬将嗣・著)からちょっと紹介。
高瀬シニアは十五歳で家出して市川右太衛門の右太プロに入り、阪東妻三郎の殺陣における師である市川桃栗に師事。この時に絶対に刀を当てない指導を受け、それから立ち回りの姿を自分で見て確認することを始める。今では当たり前だけれども、本当の格闘と映画のたちまわりは違うということを身につける。
それから大都映画に移ったところで徴兵、復員したらGHQの時代劇禁止令にひっかかって時代劇は作れず、当然殺陣師の出番もない、ドサまわりの後、つてを辿って大泉映画のちの東映東京撮影所に入るが、日活で時代劇の製作を再開するというので移籍、と思ったらすぐ中止になりアクションはすべて現代劇にするというので、心機一転時代劇から現代劇に、殺陣から技斗へと移行して、小林旭などの日活ニューアクションで腕をふるうことになり、さらに二谷英明に誘われて「特捜最前線」でテレビにも進出する。

「花の応援団」が作られた頃の日活はすでにロマンポルノ体制になって技斗の出番はなくなっていたが、曽根中生監督の要請で技斗を担当することになり、その息子の将嗣も補佐兼出演で関わることになる。
そこで斉藤信幸監督の「スケバンマフィア 私刑」で高瀬ジュニアも技斗師デビュー、そして那須博之監督のポルノだかアクションだかわからない「美少女プロレス 失神十秒前」をこなし、「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズにつながっていくというわけ。

ちなみに原作者のどおくまんはこの日活版映画化を気に入っていないとのこと。要するにあまり応援団らしさが出ていないということらしい。
高瀬将嗣監督でリメークされたのは気にいったらしいが、あいにくDVDも未発売。

一、二作目では一回生の富山をやっていた本間進が三作目にして青田赤道役。その後なんと政治家になって、千葉市市議会議員を五期つとめて現在は千葉県議会議員という人。
平成版では再映画化の言いだしっぺでさらにスポンサーを紹介したというから、世の中どうつながるかわからない。

内容自体は赤道の父親が出てきて、原作だと普段から戦国時代の鎧兜の兜をかぶっているというものすごい変人なのだが、これがかなりまともになっていて途中からスポ根ものみたいになる。演じるのは一作目の安部徹に代わって陶隆司。剣術と槍術の心得があるのが買われたのだろうか。





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