「アウトレイジ 最終章」

人間関係や抗争が複雑化して把握しにくいのは往年の「仁義なき戦い」三作目「代理戦争」ばりで、暴力沙汰が問題解決に結び付かず白けた調子でぽつんぽつんと置かれているのも似ている。

ただ、ああいう熱量はなく、というより初めから冷めた調子で描いているわけで、ああいう暴力団の抗争自体もはや今の日本ではありえないからでもある。
韓国ヤクザも絡めたわけだけれど、それほど機能しているわけではない。昔の東映ヤクザ映画だと在日や被差別をわかる人にはわかる程度ではあっても突っ込んで描いていたものだが。

頭まで地面に埋めて近くを自動車を走らせる、というのは「北陸代理戦争」にもあったし、かといってアメリカ映画式の銃撃戦というわけにもいかず、ヴァイオレンス描写の想像力がなくなってきた感じ。

凄みのあるメンツを揃えてはいるけれど、それぞれ上手なパフォーマンスを見せて頂きましたという域にとどまる。
(☆☆☆)

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