prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

物足りず

2004年12月20日 | Weblog
NHKがまた長々とした釈明番組をやる。
だからぁ、そういう番組だって視聴料で作ってるわけでしょ。しかも一番非難を浴びているエビジョンイル会長がまた出て来てまた辞めないとのたまう。わかってませんね。

gooのアドバンスサービスを始めてみる。
アクセス解析ができるのはいいが、どこのページにアクセスしているのかいちいちアドレスをクリックしてみないとわからない、ブックマークしてくれている人がいるのかどうかわからない、検索ワードの下位(多いんだ、これが)がわからない、と色々と不満あり。今はお試し期間だからまだしもだが、それ過ぎて使うかどうか。

山種美術館に行くつもりで日比谷に行ってしまう。出光美術館と間違えたのだ。ボケてるな、夏でもないのに。

献血

2004年12月19日 | Weblog
半年ぶりに献血する。飲み物やクッキーの類を食べられるのはいつも通りだが、その他に写真に載せたような古めかしい駄菓子を三種類選んでもらえるようになっていた。渋谷に新しくできたブースだけのようだが、昔の駄菓子屋の雰囲気を再現して客寄せしようとしているのだろう。

しかしその一方で身分証明書の提示を求められたりして、なかなかうるさくなっている。ノートを見てみると、比重が足りなかったり肝機能の数値が悪かったりで断られている人がずいぶん多い。HIV感染の有無を調べるのに献血を使うなとしつこく警告するだけでなく、正式の検査機関を掲示したりしてもいる。バカのおかげでうるさくなっていけない。

テツガク

2004年12月18日 | Weblog
突然思い立って「存在と時間」ほか哲学書の類を色々買って来る。「死霊」を読んだのがきっかけなのだが、わからないなりに妙にハマるところありますね。
サトエリの趣味が哲学書を読む事という記事が芸能裏ネタを扱ったメルマガに載っていたが、ホントかウソかはともかく、あっても不思議ない気がする。

「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」

2004年12月17日 | 映画
マッドサイエンティストの映像がなんかローレンス・オリヴィエに似ているなと思っていたら、似ているも何もエンドタイトルを見たら御当人なのでびっくり。1989年に亡くなっているのだが、その姿や声のストックを管理する権利者というのがタイトルに出てくる。特にどの映画の姿という断りはなかったと思う。ずいぶん凝った真似しますねぇ。生前は名前にsirの称号などつけていなかったが、ここではいちいちついている。

昔の少年空想科学小説や、バック・ロジャースや、「オズの魔法使い」や、「失われた地平線」(シャングリラ)や、キングコング風の怪獣の島や、と、まことに色んな趣向が盛りだくさん。レトロ調メカは宮崎駿経由という気もする。さらにCGによるモノトーン映像技術も凝りに凝ったもの。

と、書いてくると面白そうなのだが、実はそうでもない。グウィネス・パルトロウのヒロインがしきりとドジを踏むのが演技演出ともにセンスがなく、笑いをとるはずのところが見ていてイライラする。前半、口紅がいやに黒く写っていて、なんだか「バットマン」のジョーカーみたい。オタクはヒロインを描けないという俗説を裏付けた格好。

監督が脚本を兼ねる時にありがちな欠点がもろに出て、細部の趣向優先で全体を通したノリが悪い。

オープニング・タイトルで主役三人が一度に微妙な位置関係で名前が出る。その配置には随分あれこれと交渉がされたのでしょうねえ。実はアンジェリーナ・ジョリーの出番は他の二人の十分の一程度なのだけれど。

東条英機がヒデキ・トージョーではなくトージョー・ヒデキと呼ばれていて、主人公たちが南京にいたという設定なのだが、南京事件(いわゆる南京“大虐殺”)にはまったく触れていない。日本市場に配慮しているのかな。

博士の研究室の部屋番号が1138になっている。ジョージ・ルーカスの「THX1138」からとったものだろう。
(☆☆☆)


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商品以前

2004年12月17日 | Weblog
ネット配信用映画‘SCRAMBLE’の試写というのに行くが、これがどうにもこうにもお粗末な出来で我慢できず途中で出る。センスもテクもない、それ以前に社会的な常識をわきまえない若さに甘えた学生感覚丸出しで、よくこんなのに撮らしたもの。いや、素人の創作というのならザラな水準だけれど、これは商売として作ってるわけでしょ。誰でも作れるようになったのはいいけど、本来は商品にならない物まで流通するというのは、困ったもの。

「バッドサンタ」

2004年12月16日 | 映画
酒びたりで金庫破りなんて微妙な作業ができるのかなあ、と思った。
思いきって汚な作りのサンタだが、まだ格好をつけていてぐずぐずになりきっていない感じ。
全体にこれといったギャグもなくて、コビト=ミゼットmidgetという言葉を使うと、政治的に正しいのかなと悩む店長なんて出てくるのが個人的に可笑しかった程度。
(☆☆★★★)


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「山猫」

2004年12月15日 | 映画
ケタが違いますね。映画もここまでくると世界遺産みたいなもの。

画質はやや黄色っぽい感じで、ゴミなども目につく。IMDbによると撮影監督のジュセッペ・ロトゥンノが「山猫」完全版のスーパーバイザーをつとめたのは1983年のこと。今だったらデジタル処理でもっとクリアにできるのではないか。

お屋敷など豪華絢爛には違いないのだが、大スクリーンで見ると暖炉の石のあちこちが欠けていたり扉に傷がついていたりするのが見える。公爵が鏡を見るラスト近くのシーンの後、便器の壷がずらっと並んでいるのとともに、貴族の暮しの飾った部分にばかり目を奪われないヴィスコンティ流のリアリズム。

舞台演出家らしい空間のつかみ方の大きさと、人物を建築と風景一体になった装置の中で動かし一続きのタブローに描いて行く比類のない造型力。

新旧の世界が交代していくさなか、旧世界にしがみつきもせず、かといって新しい世界にも甘い期待を持たないサリーナ公爵=ヴィスコンティの醒めた認識の見事さ。

公爵が鬚を剃っている鏡の中に顔を出すアラン・ドロンの登場シーンなど、原作そのまんま。ドロンが選挙にうって出るのと言い出すのが、いかにもそれらしい。

バート・ランカスターがあまりに立派な体格なもので、まわりの人間をほとんど子供みたいに持ち上げたりするユーモア。
(☆☆☆☆)


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「雨鱒の川」

2004年12月15日 | 映画
まあ、北海道の風景のきれいなこと、きれいなこと。磯村監督は毎度地方ロケーションがうまい。
劇中で使われる画がよくできている。特に一見写実的でうまい子供の絵と、子供っぽく荒いようで実はうまい絵とを続けて見せて、後者がいいとはっきりわからせるのに感心。

雨鱒のCGは、あんなに都合良く魚を操れるわけがないと思うからCGだと見当がつくが、水面の揺らぎまで取り込んだ驚くばかりにリアルな傑作。作ったのが沖縄のスタッフというのがなんだか可笑しい。魚の動きや質感に強いからだという。その他、ちらっちらっと画面にさりげなく蝶が飛んでいたりするのもCGかもしれない。

子供時代と青年時代とを絡めた構成も巧い。恋敵が聾唖のヒロインのため一生懸命手話を覚えたりする“いい人”で、主人公の画家が一応生活力があるという具合に、性格づけを安直に対照的なものにしていない。
見ている間に障害ものという印象を一瞬も覚えなかったのに、見終えてしばらくして気がついた。

日本映画なのにオープニングでパラマウントのマークが出る。
(☆☆☆★★)


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くわばら、くわばら

2004年12月15日 | Weblog
ネットでチケットを交換した相手に、封筒の表書きに「チケット在中」と書かない方がいいと忠告を受ける。抜き取りに会うことがあるからという。なるほど、そういえばそうだ。そういうことも考えなくてはいけないのだな。

携帯の基本操作集を読み直したら、ずいぶん使っていない、どころか知りもしない機能がぞろぞろ出てくる。デジカメの画質も上げられる。もったいないから使ってみるか。

火事を出したドン・キホーテが消防法違反で指導を受けていたとのこと。そりゃそうでしょう。あの詰め込み方は尋常じゃなかったもの。かなり前、TBS「噂の東京マガジン」の「噂の現場」コーナーで、深夜営業が迷惑だと住民とトラブルを起こしていたことが報道されたことがあったが、ああいうやり方してると随分怒りも買っていたのではないか。社長が泣いてみせてたけど、なんだかなあ。

「キャンディ」

2004年12月14日 | 映画
主役のエバ・オーリンはまったく知らなかったが、脇がリチャード・バートン、リンゴ・スター、ウォルター・マッソー、ジェームズ・コバーン、シャルル・アズナブール、マーロン・ブランドとやたらと豪華。それぞれ詩人、庭師、将軍、医者、泥棒、教祖といったもっともらしい連中に扮してやたら凝ったところを見せているが、全員色ボケでヒロインのキャンディにすぐむしゃぶりつくところは同じ。'69年の製作当時は諷刺かエロかに見えたのかもしれないが、今見ると当たり前すぎる。ヒロインが経験が全然身につかないものでイノセントなつもりなのか、団子の串刺し状の構成と共にどうにも単調。よく脱ぐ割にバストトップもろくに見えない。
撮影ジュセッペ・ロトゥンノ、美術ディーン・タブラリスによる画面作りは、当時のポップアートだったのか、感覚が古くはなっているが今でも割と見るに耐える。


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これも振り込め詐欺

2004年12月14日 | Weblog
あなたの個人情報が流用されていますというメールが携帯に入るが、その発信元がこっちの携帯のアドレスになっている。迷惑メールで、着信先のアドレスを発進元として表示させる機能を使っているのがよくあるが、それも当然その一つ。それで流用されてますとは笑わせる。びっくりして返事してしまう人をひっかけてどこかの口座に振り込ませようという魂胆だな。色々考えるわ。

テレビでやっていたように、あらかじめご飯に卵や具や調味料を混ぜてから炒めるやり方で炒飯を作る。確かに失敗はしないが、味がご飯にしみ込み過ぎてぼやけた感じになるみたい。

日テレの「バンキシャ」で亜細亜大学の野球部員が痴漢したネタを取り上げて、男の意識の低さを非難した直後に、司会の福沢朗が菊川怜に「カップは何かな、カップは何かな」と迫っていた。アホか、それだってれっきとしたセクハラだぞ。説得力も何もないわ。

「ガートルード」

2004年12月13日 | 映画
カール・テオドア・ドライヤー監督の遺作。
正面きった長回しでほとんど不動のまま台詞を喋る役者をえんえんと写し続ける演出。芝居の缶詰めのようで、不思議と飽きない。もっとも、以前字幕なしで見た時はまったく理解不能だったが。
ストーリーだけ見たら、愛した男が全部仕事や別の女に興味がいってしまって報われることはないがそれでも「愛がすべて」と墓碑銘に刻ませる女という、ごく単純な話。が、作品とすると異様なくらい厳密な格調と、それと裏腹の肉感をもっているのだから不思議。
フラッシュバックや公園のシーンの白いハレーションが、「裁かるるジャンヌ」の白い壁などにも通じるいかにもドライヤーの感覚。


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「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」

2004年12月13日 | 映画
ディズニーらしくストーリー(担当が4人)がよく練れている。海賊がぞろぞろ出てくる割にワルモノをやっつけて万歳という作りになっていないのがいい。やっつけられる方が救いになっているものね。
普通だったら達者なバイプレイヤーがやるような役をぬけぬけとやってしまうジョニー・デップの役の選択と演じ方のセンス。
軍隊と海賊にそれぞれ二人組のコメディ・リリーフがいるあたりの芸の細かさ。
細かい所でさりげなく省略法を使った編集。
ゾンビというのか、骸骨が何十人も人間と入り乱れてチャンバラするシーンなど、こういうのを見た人が「アルゴ探検隊の大冒険」あたりの“素朴”なSFXを見たらどう写るのだろうと思ったりした。


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「ヴァイブレータ」

2004年12月12日 | 映画
原作はだいぶ前に読んでいて、特異な文体にこれが映画になるとはあまり思わなかった。
ナレーションに字幕に独白とさまざまな言葉の使い方をして、割とうまく原作のヴァイブレーションを移した。オハナシ自体はどうってことないので、「(男を)食べたい」とか「さわりたい」といった言葉が只の欲求不満の呟きに聞こえてはいけないポイントは掴んでいる。
デジタルカメラで撮影しているのでブラウン管で見たら平板に写りはしないか心配だったが関係なし。
余談だが、これは一度ラジオドラマになっていてキャストは片岡礼子、池内万作。
(☆☆☆★)


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ドツボ

2004年12月12日 | Weblog
精神疾患にかかったり猥褻行為で処分される公立学校の先生が増えているというのと、日本の学生の学力が低下しているというのと相次いで報道される。これでまたなんとかしなくてはいけないというのであっちこっちから口を挟まれて、先生の余計な負担がまた増えるのだろうなと思う。いじればいじるほどドツボにはまってくみたいだ。