prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「チャーリーズ・エンジェル フルスロットル」

2011年05月17日 | 映画
しょうもない映画とわかっていて見るのは、ホームシアターの音響効果確認用といったところ。ど派手な音つけをしているのは間違いないから。実際そうだったし。
と、わかっていても、あまりのバカバカしさに思わず早送りしてしまう。

冒頭の悪役が中国なのはわかるけれど、まだ様子見的な扱い。
テロリストを悪役にするのはシャレにならないところがあって結構難しいし、アメリカ(映画)も仇役をでっちあげるのに苦心してますね。


本ホームページ


チャーリーズ・エンジェル フルスロットル - goo 映画

「まほろ駅前多田便利軒」

2011年05月16日 | 映画
人工授精とか子供を巻き込んだ麻薬取引とか、かなりハードなネタが混ざっているのだが、語り口はかなりゆるくて、ときどき笑える。

車のフロントガラスをバットでボコボコにされた瑛太が「なんじぁあ、こりゃあ!」と叫び、松田龍平が「似てないよ」という楽屋オチがひょっこり現れる。笑ったのは、場内で私だけだったが。
大森南朋と麿 赤兒と、大森立嗣監督の弟と親父が出ているけれど、どっちもけっこうヌケた感じで写っているのは身内で構えないでいられるせいか。

いまどき、これくらい最初から最後までタバコを喫ってばかりいる映画は珍しいのでは。特にアメリカ映画ではすっかりタバコが出なくなった。そういえば松田優作もタバコの喫い方にはこだわっていたなと思う。

まほろというのが町田をモデルにしているわけだが、堂々と「町田」という地名があちこちに写っているのは撮影に協力したのだから当然だけれど、海のないはずだが海沿いの道を走るシーンがあって微妙にずらしている。
(☆☆☆★★)


本ホームページ


まほろ駅前多田便利軒 - goo 映画

まほろ駅前多田便利軒 スタンダード・エディション [DVD]
クリエーター情報なし
Happinet(SB)(D)


まほろ駅前多田便利軒
クリエーター情報なし
文藝春秋

「八日目の蝉」

2011年05月15日 | 映画
誘拐した女と誘拐された女の子の二人はさまざまな場所を転々とするのだが、キリスト教風のコミューンがオウム呼ばわりされるのが正しいかどうかはともかくかなり閉鎖的で気味の悪い印象なのに対して、小豆島の日本土着といっていいだろうお遍路さんや祭りが同じような宗教的行事でも二重の意味で「自然」に見える。

およそはやっていそうにない写真館の主人に田中泯をキャスティングしているので、この写真館が大事な場面になるなと思ったらその通りになる。ウィンドウに飾ってある家族写真が二十年近く経って変わっていないあたり、どこか時の流れから離れた能の翁のようなニュアンスもある。
ああいう写真が定着液の中でゆっくり浮かび上がってくる情感はデジカメでは出ませんね。

役者がそれぞれ、特に女優陣の演技が見事。男どもが無責任で性欲ばっかり強くておよそしょうもない扱いだが、大体あんなものでしょう。
永作博美と井上真央が血がつながっていない設定なのに割と顔立ちが似ているのにときどきあれっと思う。場面によっては明らかに似せて撮っているのではないか。

誘拐される赤ちゃんが泣き喚いていたのが泣き止んで笑い出すまでを粘ってごまかしなしで撮っているのがいい。
(☆☆☆★★★)


本ホームページ


八日目の蝉 - goo 映画

八日目の蝉 通常版 [DVD]
クリエーター情報なし
アミューズソフトエンタテインメント


八日目の蝉
クリエーター情報なし
中央公論新社

「エレクトラ」(2005)

2011年05月14日 | 映画
いまどき珍しいくら変な日本描写が楽しめる(?)。
忍術をブードゥーか何かの妖術とごっちゃにしていて死人を蘇らせかねないし、日本人風の名前がキリギってなんだろう。
「桐木」とでも書かせるつもりだろうか。
あと「キマグレ」(気まぐれのつもりか)が万能術みたいに思っているらしい。

エレクトラってギリシャ悲劇の人物の名前に合わせてタイトルの「E」の文字をギリシャ文字風の「Σ」に置き換えている。「レッドブル」でロシア文字風に「N」を「и」にしていたのと似たような趣向。

ヒロインがやたらマッチョなのが興ざめ。画面がやたら暗くてアクションがよく見えない。劇場公開がやたらそそくさと封切って引っ込めたわけがわかる。
(☆☆★★★)


本ホームページ


エレクトラ - goo 映画

「皆月」

2011年05月13日 | 映画
皆月 ニューマスター・プレミアム・エディション [DVD]
主演・奥田瑛二 監督・望月六郎 脚本・荒井晴彦
ジェネオン エンタテインメント

「みんな月でした」というセリフはちょっと文学的すぎて、映画でそれほど文学的素養のあるとは思えない人物が口にするとやや違和感あり。
とはいえ、出てくる連中の「日陰者感覚」は良く出ていた。

養鶏場の追っかけが印象的。同じ花村満月原作の「ゲルマニウムの夜」でも養豚場が重要な舞台になっていたけれど、偶然ではないだろう。

ラスト、あのまま別れたらニューシネマみたいでカッコウ良すぎないかと思ったら、うまく落とした。
(☆☆☆)


本ホームページ


皆月 - goo 映画

本番前@控室 BS11

2011年05月12日 | Weblog
先週に続いて吉田照美、みうらじゅん、井筒俊彦というメンツ。吉田照美が女の子は来ないだろうなあと言いつつやっぱり来てないとがっかりする。

井筒監督が他のところでも発言していたが、「寅さん」を一本も見ていない、良い人しか出てこないところがイヤと発言、吉田照美に寅さんおもしろいじゃないですかと突っ込まれているうちに、とらやに戻ってきた寅さんが二階から途中まで狭い階段を降りてきて「今日、何曜だい」「金曜だよ」「なんだ金曜かあ」というやりとりに、堅気の仲間が身体が空いてなくて一緒に遊べなくてがっかりするところに山田洋次のシナリオライターとしての腕と寅さんの遊び人なところが良く出ていると言い出し、「よく見てるじゃないですか」とツッコミ直されていた。

そして絶対寅さんは風俗に行っているはずなのに、ちっともそういう場面が出てこないと不満をぶちまける。それ入れたら、48作も続かなかっただろうけれど。

ホントに良い人しか出てこないかというとそうでもないので、17作目の「夕焼け小焼け」で太地喜和子の芸者の金を巻き上げる佐野浅夫など法律に触れない分相当に悪い奴だと思ったけどなあ。もっともその悪者を寅さんがやっつけるという展開にはならないのだが。


本ホームページ

「天平の甍」

2011年05月11日 | 映画
遣唐使が唐に行って鑑真を連れて帰ってくる20年以上にわたる物語なのだけれど、困ったことに唐の人が日本語を喋っていて、スキンヘッドの坊さんだと白髪やハゲになって見せるわけにいかないからあまり老けた感じがせず、上映時間が二時間半もあるわりに異郷の孤独感とか時間の重さとかがあまり伝わってこない。
熊井啓監督らしい力作だけれど、速球勝負が棒球になっている感あり。

冒頭に「この映画は中華人民共和国の協力によって作られました」と大きく字幕が出て、エンドタイトルにもまっさきに中国の協力した街や組織が出てくる。事実全面協力がなければとても撮影不可能だろう壮大な風景は建築・文物は楽しめる。

製作は1980年で、当時の中国は今からでは想像つかないくらい内向きの政策をとっていたはずで、この映画を皮切りに「敦煌」「太陽の帝国」「ラストエンペラー」と大々的な中国ロケを成功させた映画が続き、同時に「黄色い大地」(’85)「紅いコーリャン」(’88)の国際映画祭の受賞とともにだんだん開けたきたのだと思う。
(☆☆☆)


本ホームページ


天平の甍 goo 映画

「ロルナの祈り」

2011年05月10日 | 映画
説明を削ぎ落とした語り口でなかなか設定が見えてこない、ヒロインがどこの出身なのか(解説を読むとアルバニアらしい)、本命の男とは結婚しているのかしていないのか、といった設定が一回見ただけではわからないのはちょっと困るが、それで緊迫感が保たれているのも確か。

初めのうちヤク中の夫をまるで見捨てているのかと思うと、実はベルギー国籍を取得するため偽装結婚しているのに過ぎず、それが「離婚」するために夫に暴力をふるわけているように見せかけるために自傷行為に走り、その痛みが次第に良心の痛みにまで至って、肉体関係を持つシーンに暴れる男を落ち着かせるためというエクスキューズ以上のニュアンスが出る。

ヤク中が死ぬ場面が完全に省略されていて、ふっと姿が見えなくなっただけ、という感じがするのが、ヒロインが妊娠したと主張して医者に否定される「子供」が現実としては幻でもヒロインの中では実在するものとして守ろうとするラストとつながっていて、おそらくオールロケで撮られているドキュメンタリータッチが象徴的表現にまで飛躍している。
(☆☆☆★★)



「桜の代紋」

2011年05月09日 | 映画
若山富三郎扮する刑事の名前は奥村昭夫というが、富三郎の本名は奥村勝、弟の勝新太郎の本名が奥村利夫。なんか微妙に混ざっている。

製作は1973年だが、「ダーティハリー」が71年で明らかに乱暴刑事ものとしての影響下に作られている。
取調べにあたる刑事がニンニクを生でかじって息を吐きかけ汁を容疑者の顔になすりつける拷問(?)には笑った。富三郎が柔道にかこつけて容疑者を何度も投げ飛ばすのもがちょっとおもしろい。

三隅研次監督らしい凝った画面がところどころに見られ、血がどばどば出るあたりも「子連れ狼」調だが、現代劇となると勝手が違う感じ。
富三郎の立ち回りの腕は、ヤクザたちにボコボコにされて机を飛び越えて床に落ちたり、床を滑っていって壁に激突したりと、攻撃するところよりやられるところで発揮されている。

若い刑事が関口宏。情けないだけでなく、なんか今の顔がだぶるせいかいかがわしい感じがして、こいつがイヌ(ってヤクザ側の内通者ということ)かと思った。

スタッフは旧大映系、内容は東映的、配給は東宝という妙な取り合わせ。

「日本映画専門チャンネル」で黒沢清監督の推薦作品として放映されたのだが、相変わらずよくわからない趣味ですね。
(☆☆☆)


本ホームページ


桜の代紋 - goo 映画

邦画を彩った女優たち「女優 夏目雅子 笑顔に秘められた執念」

2011年05月08日 | 映画
「瀬戸内少年野球団」の監督で夏目に「お父さん代わり」などと言われていた篠田正浩は、伊集院静と結婚する時に、当時は韓国名の趙 忠來名義で書いていた小説を見せられて、この人と結婚する時の結婚式ではチマ・チョゴリを着ようと思うと言っていたとのこと。当時としては(今でもか)ずいぶん思い切ったことを言うと思うが、実行したのかは聞き漏らした。
なお、実際の夏目雅子の父も彼女のデビューまもなく47歳でガンで亡くなっている。
番組スタッフが取材申し込みをしたのに対する断りの手紙の署名も、達筆なので読みにくいが趙 忠來(チョ・チュンレ)と併記していたようだった。

「鬼龍院花子の生涯」の有名なセリフ、「なめたらいかんぜよ!」が台本にはなく、夏目の芝居を見ていた監督が加筆したものだと、当時のスタッフの撮影監督・森田富士郎と照明・増田悦章が、五社英雄監督が使っていた独特の字体でものすごく書き込まれた撮影台本を示しながら語られる。

「鬼龍院」が撮られた京都太秦の撮影所は、新顔の監督が来るとわざと違う小道具を用意して、気づくかどうか試すようなイケズな体質なのだが、その撮影監督の森田富士郎が夏目の芝居を見ていてルーペが曇ったという。

「魚影の群れ」で緒形拳扮する父親と喧嘩したあとガニ股で歩きさるのを正面ではなくもっぱら背後から撮っているのを、「(夏目の)腰を見ていたかったんだ」と相米慎二監督が言っていたとのこと。

それにしても、出演した映画が七年で十本というのは、いかにも少ない。

チャンネル:BSプレミアム(再放送)
放送日: 2011年5月7日(月)
放送時間:午後2:00~午後3:00(60分)
ジャンル:ドキュメンタリー/教養 > ドキュメンタリー全般
映画 > 邦画
情報/ワイドショー > 芸能・ワイドショー

番組内容
27歳にしてこの世を去った夏目雅子。主役を演じた映画はわずか4本だが、人々の記憶に永遠に焼きついている。撮影現場で鬼気迫る執念をみせた女優夏目雅子の素顔に迫る。

詳細
テレビCMで鮮烈なデビューを飾った夏目雅子は、みるみる本格派女優としてスターの座を駆け上がり、27歳にして突然の病でこの世を去った。主役を演じた映画はわずか4本。しかし現場をともにした映画人は皆、「雅子伝説」を抱えている。「鬼龍院花子の生涯」の有名なセリフ「なめたらいかんぜよ」は、どのように生まれたのか。飾らない人柄といちずな仕事ぶり、時には鬼気迫る執念を見せた雅子の素顔をさまざまな証言から描く。

出演者ほか
【語り】石澤典夫



本ホームページ

デジタル・リマスターでよみがえる名作「“地獄門”世界がみとめた色」

2011年05月06日 | 映画
デジタルリマスターのノイズを除去する過程で、セリフまで途切れてしまうところを別のところから同じ俳優の発声する音を持ってきて埋める、たとえば「藤原」の“じ”を「じきじき」の“じ”を持ってきて埋めるといった具合で、その手間のかかり方といったらない。技術者が「行」(ぎょう)みたいだと言うのもムリはない。

本来のテクニカラーなので三原色に分けた白黒フィルムが三本保存されている。それだけ倉庫代もかさむはず。三本をそれぞれスキャンしてデジタルデータ化して合わせたところ、うまく重ならない、スキャンする時にフィルムを送るピンがうまくフィルムの穴に入らないで
データがずれていたためとわかって100分の1ミリ単位でピンを削るあたりも職人芸という感じ。

色彩監修の画家・和田三造(代表作「南風」を見て、あ、あの絵の作者かと思った)の監修というのも名前貸しではなく、装置・衣装はおろか、200名に及ぶ俳優の肌の色をすべて記録して、それがのちに日本色彩研究所に引き継がれ化粧品開発の基礎データにもなっているという。

製作当時、撮影助手だった森田富士郎がリマスター版の色彩監修をして、当時のフィルムだと赤と青が出すぎたり室内シーンが明るくなりすぎたりするのをどう補正するか、公開当時のままにするかそれとも当時の技術ではできなかったことをやり直すかで迷うあたり、こちらも考えさせられる。結局当時のままという方針をとったわけだけれど、「スター・ウォーズ」あたりがあとでデジタル技術でいじって「良くなった」かどうかということともつながってくる。

チャンネル :BSプレミアム
放送日 :2011年 5月 2日(月)
放送時間 :午後10:00~午後10:30(30分)
ジャンル :映画>その他
映画>邦画
ドキュメンタリー/教養>カルチャー・伝統文化
番組HP:-
再放送の予定をメールでお知らせします。(NHKネットクラブの無料会員登録が必要です。)


日本のカラー映画草創期、「地獄門」はカンヌ映画祭グランプリとアカデミー賞を受賞。デジタル技術で名作の映像と音声を復元する過程に密着。


森田富士郎, 三浦和己, 【語り】田中奈緒子



本ホームページ


地獄門 ブログ - goo 映画

地獄門 [DVD]
クリエーター情報なし
コスモコンテンツ

「ジャッキー・ブラウン」

2011年05月05日 | 映画
とにかくお喋りが多くて、ストーリーテリングの工夫ももってまわった感じで、かったるくて仕方なかった。
B級映画の材料を組み立て方で再生産しているのだろうけれど、上映時間の短さってところも取り入れてほしいなあ。
(☆☆☆)



「息もできない」

2011年05月04日 | 映画
冒頭から暴力描写が繰り返されるのだが、基本的になんべんも繰り返し殴るばかりでイマジネーション不足。韓国(映画)得意の飛び蹴りくらい出てきてもよさそうだが。

暴力の連鎖というのはもともと閉じた世界で行き場がないところから来ているので、息苦しさと迫力とが混同されがちだけれど、見ている方がちょっと視点をずらすと登場人物たちだけでなく作者までわざわざ狭いところに閉じこもっているのが見えてくる。

ずいぶん世評が高いので期待しただけにちょっと残念。
(☆☆☆★)



「孫文の義士団」

2011年05月03日 | 映画
一時間にも及ぶクライマックス、アクションも豊富だがえんえんとアクションだけでつなぐのではなく、孫文が会議に参加する前後一時間をいくつかのブロックに割り、影武者が孫文の母のところに寄っていかにもそこに孫文がいるかのように見せかけて十五分稼ぐ、その十五分を義士の一人が戦い続けてなんとかもたせる、といった具合にスケジューリングが細かく立てられていて飽きさせない。

一人また一人と義士が倒れていくところに名前と生年没年が出る(確か下は16歳から上でも36歳だ)のが実録映画風でもあり、その寿命の短さが痛ましくもある。

立ち回りはしばしば刃物が本格的に使われ、容赦なく人を突き、また切り裂くのが通常のカンフーアクションより凶悪な印象。

大詰めで人力車が階段を転げ落ちていくのと、壊れたメガネのアップは「戦艦ポチョムキン」(1925)のオデッサの階段の引用だろう。
ロシア「革命」の栄光を無邪気に(製作の舞台裏ではそうでもなかったのだが)謳いあげられた「ポチョムキン」が作られた時代とは違って、「革命」を現政権の権威付けに使わなくなくてはならないのがバレている今の中国にあっては、かなり「革命」の意味も変わってきているだろう。
ここでは孫文の口を借りて、革命を単純に虐げられている者を救う行為でなく、「文明の痛み」と言わせている。
(☆☆☆★★★)


本ホームページ


孫文の義士団 - goo 映画

孫文の義士団 -ボディガード&アサシンズ- スペシャル・エディション [DVD]
クリエーター情報なし
Happinet(SB)(D)

「ダンシング・チャップリン」

2011年05月02日 | 映画
「ライムライト」はもともとヒロインがバレリーナなのでそのまま踊っても曲がないと「黄金狂時代」の「小さなパンの踊り」をアレンジした「小さなトゥ・シューズ」にアレンジしているのになるほどと思う。
女性ダンサーをチャップリンに仕立てる発想の大胆さ。

プロデューサーの一人が、「今だとチャップリンを知らない人多いので不安」「午前十時の映画祭でもチャップリンはあまり入っていない」「淀川(長治)さんみたいな人、今いないし」と不安を話していた。確かにチャップリンの原典を知らないで見たらどう見えるのか、見当がつかない。

2009年9月24日に亡くなった佐々木芳野プロデューサーが随所に写っているのにどきりとする。

前半、プティ氏が屋外で撮るのなら、映像化自体を断ると頑張っていたのが、後半ぽんと屋外で踊るシーンが出てくる落し方に、ドキュメンタリーではあまりやらないように思える劇映画的な「語り口」がある。

それにしても、これは普通だったらほとんどプライベート・ビデオの範疇に入るような作りだろう。それを客層はやや狭いにせよ商業ベースにもっていったのはたいしたもの。


本ホームページ


ダンシング・チャップリン - goo 映画

ダンシング・チャップリン(DVD) [DVD]
クリエーター情報なし
東宝