今日のフォト。 「小さいおうち」を観て来ました。
2010年直木賞受賞作品、中島京子の同名小説を 山田洋次監督が
「実に正確に昭和十年代を表現している」と感動し
「自分の手で映画化したい」と熱望し、作者にラブコールを送り、メガホンをとった。
山田洋次監督が、82作目にして、許されざる恋を描き、新境地を開いたといわれる。
50年以上、「家族の絆」を描いて来た、山田洋次監督が初めて不倫に迫る。
昭和の初め、東京郊外に佇む、赤い三角屋根の家に奉公した女中・タキ(黒木華)が見た
奥様・時子(松たか子)と、青年(吉岡秀隆)の恋愛事件。
時を経て、平成の時代になっても、タキ(倍賞千恵子)は、その秘密を自分の中に
しまっていたが、自叙伝を書くことで、その秘密が、ひもとかれてゆく。
そして平成の今、荒井健史(妻夫木聡)の大叔母・タキ(倍賞千恵子)が亡くなり
遺品整理の中、大学ノートに書かれた自叙伝とともに
一通の宛名のない未開封の手紙が出てきた。
荒井健史は、その手紙を開封できずにいた。
昭和10年代に花開いていた、西洋文化と日本文化が混ざり合って生まれた「昭和モダン」
赤い三角屋根の家の中にはおしゃれで、可愛らしい当時の流行がたくさん再現されている。
美しい女主人時子を慕い続けたタキ。
その「小さいおうち」の中で起きた秘密の出来事。
胸に切ない思いを秘めたまま、やがて戦争が激しくなり、それぞれに別離が訪れる。
女中・タキ(黒木華)が終始、身に着けていた白い割烹着姿が、清楚で美しい。
この作品は、2月のベルリン国際映画祭のコンペティション部門で
日本代表として選ばれている。