23日に大沢たかおのミュージカル「ファントム」を観て来ました。
昨秋はニューヨークのブロードウエイで「オペラ座の怪人」を観て
私は完全にエクスタシーしてしまったのだが・・・・
これでまた違った角度から「オペラ座の怪人」に魅了されてしまった。
フランスのガストン・ルルーの小説「オペラ座の怪人」は
ファントムの秘密を握るペルシャ人の日誌をルルーが手に入れ
小説としてまとめあげたという、いわばノンフィクションを装ったフィクション。
この小説は、瞬く間にベストセラーとなりました。
1925年にアメリカで映画化された時、原作をバッサリと刈り込み
歌姫クリスティーヌとファントムの物語として上映されました。
この映画は大ヒットし、その後はその設定だけがクローズアップされ
ミュージカルとしても上演されることになりました。
「オペラ座の怪人」には3つの軸になるお話があります。
ファントム=エリックの心の悲劇を強調したもの。(人間性)
怪奇趣味を強調し、ホラー的に表現したもの。
そしてファントムとクリスティーヌとラウルの三角関係というラブロマンス。
この三角関係のラブロマンスのミュージカルは小説よりも有名で
ニューヨークのブロードウエイや日本でもロングランで上演されています。
音楽も衣装も設定も豪華絢爛。
ゴージャスな雰囲気と
心地よい音楽に身も心も包まれる傑作作品。
2004年公開の映画「オペラ座の怪人」はこの舞台の映画化でした。
原作からホラー色を取り除き、老若男女が楽しめるロマンチック路線は
パリを強調した演出や音楽が効果的で、多くの人々に鑑賞されてきました。
今回の大沢たかおのミュージカル「ファントム」は、エリック(ファントム)の
怪人ではなく、人間としての「心模様」を描いたもので
シャンデリアが落下するシーンも
クリスティーヌを船で地下室へ誘いこむクライマックスシーンもない。
脚本、アーサー・ピコット、作詞・作曲、モーリー・イェストンのコラボレーション。
歌姫クリスティーヌとファントムのラブロマンスの人気があまりにも高過ぎて
このピコット&イェストン版の「オペラ座の怪人」は
ニューヨークのブロードウエイでは一度も上演されたことがないという。
大沢たかおはこの作品がミュージカルデビュー。
ファントム(エリック)のピュアな心を体当たりの演技で伝えた。
馴染みのない「オペラ座の怪人」の音楽の中
最後まで観客の気持ちをとらえ
ラストシーンでは、観客のすすり泣く声さえ聞こえてくる大沢の名演技。
観終わった後、さわやかな気持ちにさせられたのも彼のこの作品への情熱か?
帰路の車の中では、やはりCDを掛けて聴いてしまった。
私の好きなこのシーンのこの曲を。
2つのファントムの作品が私の心の中で交差しながら、音楽が流れた。
写真は上から、いずれも観た作品のプログラム。
1、 2007年8月、劇団四季のミュージカル「オペラ座の怪人」
2、 2007年11月、ニューヨーク・ブロードウエイのミュージカル「オペラ座の怪人」
3、 2008年1月、大沢たかおのミュージカル「ファントム」