今日の新聞を見ていた所、地方第3セクター鉄道が苦境に陥っている事に関する記事があり、ネット上のニュースでも出ていますので、少々取り上げたいと思います。
(以下青字が記事部分です)
国鉄継承の三セク鉄道28社、半数が開業以来赤字
87年の分割民営化を挟む国鉄末期からJR初期にかけて、旧国鉄ローカル線を引き継いだ第三セクター鉄道のうち、現在も運行中の全国28社について、朝日新聞社が経営状況を調べたところ、半数近い13社が開業以来、経常損益で赤字を計上し続け、うち2社は赤字を補うはずの基金がゼロになっていることが分かった。
一方、06~09年度中に基金が底をつく見込みの三セクも他に5社を数え、基金枯渇が深刻なケースなど4社の路線をめぐっては存廃議論が起きている。
各三セクの基金は、発足当時の国の「転換交付金」(路線1キロあたり3000万円)と、沿線自治体の出資が主な原資。多くの三セクは、運用益を赤字の穴埋めなどに活用する経営安定策をとった。
しかし、利用客の減少が加速し、超低金利も続く中で05年以降、すでに3社は廃線・運行休止している。
20年前の国鉄改革で切り離された路線の多くが、苦境にあえぐ実情が浮かび上がった。
アンケートなどを通じて調査を実施し、全28社から回答を得た。
開業後ずっと赤字経営と答えた13社のうち、05年度に約5000万円の経常赤字だった明知鉄道(岐阜県)は、計3億円余りにのぼった二つの基金が03年度に底をついた。
05年度の経常赤字が約6300万円の三木鉄道(兵庫県)も、ピーク時の基金約1億2000万円が97年度でゼロになっている。
両社は現在、沿線自治体からの補助や借入金でしのぐ。
基金が枯渇しかけている5社中、真岡(もおか)鉄道(茨城、栃木県)は05年度末残高が約5500万円。
北条鉄道(兵庫県)も同810万円しかなく、ともに06年度中には残高が尽きるとしている。
三陸鉄道(岩手県)も07年度、天竜浜名湖鉄道(静岡県)が08年度、若桜(わかさ)鉄道(鳥取県)は09年度に基金が底をつく見込み。
地元で廃線が検討・議論されていると回答したのは、樽見(岐阜県)、三木、若桜の3鉄道。
いずれも利用者減などによる経営難が深刻で、若桜鉄道は「基金の枯渇問題が存廃議論の契機となった」。
ほかに、いすみ鉄道(千葉県)は「存続、廃止など、今後のあり方について議論されている」と答えた。
すでに、05年には高千穂鉄道(宮崎県)が経営を断念。北海道ちほく高原鉄道や、神岡鉄道(岐阜、富山県)も06年、廃止された。
三セク転換に伴い、国からは当時、各鉄道への財源支援措置があった。だが、バブル経済崩壊後、超低金利で自前の基金は運用益が生まれず、道路整備の進展などに伴うマイカー利用の増加、少子化による高校生ら通学客の減少なども追い打ちをかけている。
各三セクは人員削減のほか、増収策にも取り組んでいるが、抜本的な対策にはなっていないのが実情だ。
〈旧国鉄線の第三セクター鉄道〉国鉄再建法に基づき81~87年、運輸省(当時)が「特定地方交通線」計83路線の廃止を承認。いずれも赤字のローカル線だったが、うち36路線は通勤・通学客の足の確保や冬季積雪の不安などを理由に、地元自治体が三セクへ転換し、鉄道存続を決断。84年の三陸鉄道(岩手県)を最初に、路線を引き継ぐ計31社が90年までに開業した。
(記事部分は以上です)
国鉄転換線の第3セクター鉄道(一部は未開業区間を継承して、3セク発足後に開業させた事例あり)は元々が旧国鉄→JRの不採算路線で、大半が経営の厳しい過疎地域を走る上に、一部を除いて専らローカル輸送に徹している事もあって運賃もJRに比べて割高に設定(それでも首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)に比べれば良心的な運賃設定ですが…) されており、国鉄・JR時代に比べて運行本数の増加などの利便性向上を図った路線が多いとはいえ、決して利用しやすい路線とは言えない路線が多く、それでも学生や高齢者などの交通弱者のために必要な最低限の生活交通手段として運行されている路線が大半を占めるのが実情です。
その上第3セクター鉄道は発足に当たってレールバスやそれに準ずる軽快気動車を導入した会社が多く、これらは初期投資こそ少ないものの寿命が短い事もあって取り替え時期に差し掛かっており、この手の車両を置き換えるコストもただでさえ経営環境が厳しい3セク鉄道の経営を更に厳しくする要因となっています。
そのため昨年は記事の通り3鉄道が廃業になったほか、今でも路線存続の是非を巡って議論されている鉄道がいくつもある状況ですが、 こういった鉄道は一般の地方私鉄とは異なり、3セク転換時に運行車両がメーカー標準規格の軽快気動車などに置き換えられているケースが殆どです。
そのため現在もJRが運行するローカル線や個性溢れる車両が走る地方私鉄などに比べると注目度は今一つで、レールファンの方々でも興味を持っている方は割合少ない様ですが、 MAKIKYUもこういった路線の維持に少しでも経営に貢献できればという事で、各地を旅行する機会があれば可能な範囲で乗車する様に努めています。 (昨年廃業した3鉄道は北海道ちほく鉄道の一部区間を除いて未乗ですが…)
この記事に会社名が具体的に出ている中で現存している3セク鉄道は、MAKIKYUも樽見鉄道を除いて各地を訪問する機会(といっても、沿線に所用がある訳ではなく専ら旅行ですが…)があって乗車した事があります(兵庫県の三木・北条鉄道は先月初めて乗車したばかりですが…)が、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様の中には、かなりのローカル路線ばかりですので、これらの3セク鉄道の存在は近場の路線以外は知らないという方も居られるかと思います。
また路線の存在は知っているものの、乗車した事がないという方はかなり居られるかと思いますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様に少しでも3セク鉄道の魅力を感じて頂き、機会があれば是非乗車して頂きたいと思いますので、 3セク鉄道に関する記事を今後も時折取り上げて行きたいと思います。 (今までも何度か取り上げていますが…)
写真は記事中でも名前が挙がっている若桜鉄道にMAKIKYUが乗車した際のワンシーンです。
この路線はなかなか乗車する機会がなく地味な存在の典型的なローカル路線ですが、こういった路線に乗車するのも魅力あるものとMAKIKYUは感じます。
(以下青字が記事部分です)
国鉄継承の三セク鉄道28社、半数が開業以来赤字
87年の分割民営化を挟む国鉄末期からJR初期にかけて、旧国鉄ローカル線を引き継いだ第三セクター鉄道のうち、現在も運行中の全国28社について、朝日新聞社が経営状況を調べたところ、半数近い13社が開業以来、経常損益で赤字を計上し続け、うち2社は赤字を補うはずの基金がゼロになっていることが分かった。
一方、06~09年度中に基金が底をつく見込みの三セクも他に5社を数え、基金枯渇が深刻なケースなど4社の路線をめぐっては存廃議論が起きている。
各三セクの基金は、発足当時の国の「転換交付金」(路線1キロあたり3000万円)と、沿線自治体の出資が主な原資。多くの三セクは、運用益を赤字の穴埋めなどに活用する経営安定策をとった。
しかし、利用客の減少が加速し、超低金利も続く中で05年以降、すでに3社は廃線・運行休止している。
20年前の国鉄改革で切り離された路線の多くが、苦境にあえぐ実情が浮かび上がった。
アンケートなどを通じて調査を実施し、全28社から回答を得た。
開業後ずっと赤字経営と答えた13社のうち、05年度に約5000万円の経常赤字だった明知鉄道(岐阜県)は、計3億円余りにのぼった二つの基金が03年度に底をついた。
05年度の経常赤字が約6300万円の三木鉄道(兵庫県)も、ピーク時の基金約1億2000万円が97年度でゼロになっている。
両社は現在、沿線自治体からの補助や借入金でしのぐ。
基金が枯渇しかけている5社中、真岡(もおか)鉄道(茨城、栃木県)は05年度末残高が約5500万円。
北条鉄道(兵庫県)も同810万円しかなく、ともに06年度中には残高が尽きるとしている。
三陸鉄道(岩手県)も07年度、天竜浜名湖鉄道(静岡県)が08年度、若桜(わかさ)鉄道(鳥取県)は09年度に基金が底をつく見込み。
地元で廃線が検討・議論されていると回答したのは、樽見(岐阜県)、三木、若桜の3鉄道。
いずれも利用者減などによる経営難が深刻で、若桜鉄道は「基金の枯渇問題が存廃議論の契機となった」。
ほかに、いすみ鉄道(千葉県)は「存続、廃止など、今後のあり方について議論されている」と答えた。
すでに、05年には高千穂鉄道(宮崎県)が経営を断念。北海道ちほく高原鉄道や、神岡鉄道(岐阜、富山県)も06年、廃止された。
三セク転換に伴い、国からは当時、各鉄道への財源支援措置があった。だが、バブル経済崩壊後、超低金利で自前の基金は運用益が生まれず、道路整備の進展などに伴うマイカー利用の増加、少子化による高校生ら通学客の減少なども追い打ちをかけている。
各三セクは人員削減のほか、増収策にも取り組んでいるが、抜本的な対策にはなっていないのが実情だ。
〈旧国鉄線の第三セクター鉄道〉国鉄再建法に基づき81~87年、運輸省(当時)が「特定地方交通線」計83路線の廃止を承認。いずれも赤字のローカル線だったが、うち36路線は通勤・通学客の足の確保や冬季積雪の不安などを理由に、地元自治体が三セクへ転換し、鉄道存続を決断。84年の三陸鉄道(岩手県)を最初に、路線を引き継ぐ計31社が90年までに開業した。
(記事部分は以上です)
国鉄転換線の第3セクター鉄道(一部は未開業区間を継承して、3セク発足後に開業させた事例あり)は元々が旧国鉄→JRの不採算路線で、大半が経営の厳しい過疎地域を走る上に、一部を除いて専らローカル輸送に徹している事もあって運賃もJRに比べて割高に設定(それでも首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)に比べれば良心的な運賃設定ですが…) されており、国鉄・JR時代に比べて運行本数の増加などの利便性向上を図った路線が多いとはいえ、決して利用しやすい路線とは言えない路線が多く、それでも学生や高齢者などの交通弱者のために必要な最低限の生活交通手段として運行されている路線が大半を占めるのが実情です。
その上第3セクター鉄道は発足に当たってレールバスやそれに準ずる軽快気動車を導入した会社が多く、これらは初期投資こそ少ないものの寿命が短い事もあって取り替え時期に差し掛かっており、この手の車両を置き換えるコストもただでさえ経営環境が厳しい3セク鉄道の経営を更に厳しくする要因となっています。
そのため昨年は記事の通り3鉄道が廃業になったほか、今でも路線存続の是非を巡って議論されている鉄道がいくつもある状況ですが、 こういった鉄道は一般の地方私鉄とは異なり、3セク転換時に運行車両がメーカー標準規格の軽快気動車などに置き換えられているケースが殆どです。
そのため現在もJRが運行するローカル線や個性溢れる車両が走る地方私鉄などに比べると注目度は今一つで、レールファンの方々でも興味を持っている方は割合少ない様ですが、 MAKIKYUもこういった路線の維持に少しでも経営に貢献できればという事で、各地を旅行する機会があれば可能な範囲で乗車する様に努めています。 (昨年廃業した3鉄道は北海道ちほく鉄道の一部区間を除いて未乗ですが…)
この記事に会社名が具体的に出ている中で現存している3セク鉄道は、MAKIKYUも樽見鉄道を除いて各地を訪問する機会(といっても、沿線に所用がある訳ではなく専ら旅行ですが…)があって乗車した事があります(兵庫県の三木・北条鉄道は先月初めて乗車したばかりですが…)が、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様の中には、かなりのローカル路線ばかりですので、これらの3セク鉄道の存在は近場の路線以外は知らないという方も居られるかと思います。
また路線の存在は知っているものの、乗車した事がないという方はかなり居られるかと思いますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様に少しでも3セク鉄道の魅力を感じて頂き、機会があれば是非乗車して頂きたいと思いますので、 3セク鉄道に関する記事を今後も時折取り上げて行きたいと思います。 (今までも何度か取り上げていますが…)
写真は記事中でも名前が挙がっている若桜鉄道にMAKIKYUが乗車した際のワンシーンです。
この路線はなかなか乗車する機会がなく地味な存在の典型的なローカル路線ですが、こういった路線に乗車するのも魅力あるものとMAKIKYUは感じます。