先日「MAKIKYUのページ」では茨城県を走る水郡線で運行を開始したばかりの最新型気動車・キハE130系に関して取り上げましたが、茨城県内にはこの車両とは対照的な古豪車両も走っており、先日こちらにも乗車してきましたので取り上げたいと思います。
この車両は現在鹿島鉄道を走っているキハ600形と呼ばれる車両で、元は鉄道省(→国鉄)で使用していた車両ですが、この車両は戦前製に製造された非常に古いモノで、現在日本で最古参の部類に属する気動車を複数形式用いている鹿島鉄道の中でも最古参の車両です。
ただこの車両はかなりの旧型車でありながらも、幾度もの改造の過程で冷房化やワンマン化改造も行われ、車体も鹿島鉄道では最も大型で収容力がある事から、他の旧型気動車と異なり稼働率は結構高く、また2両在籍している事もあって、朝~昼過ぎ位までの間に鹿島鉄道を訪問すると大抵稼動している姿を見かける事が出来ます。
(夕方以降になると、稼動車両は新型のKR-500形のみの事が多い様です)
ちなみにこの車両は他の鹿島鉄道を走る旧型気動車と同様に床は板張りで、また走行音(加速時に駆動装置の関係なのか、つりかけ式か直角カルダン式駆動の電車を連想させる様な音がします)や重たい走りっぷりも独特で素晴らしいですので、稼働率が高い車両でありながらも、この車両に当たると非常に有難く感じます。
また鹿島鉄道の中ではMAKIKYUが最も気に入っている車両でもありますので、先日鹿島鉄道に乗車して稼働率が低いキハ714号(湘南形の前面で、ワンマン改造されていない車両です)と2両編成でこの車両がやって来た時も、途中駅でこちらへ乗り移った程です。
ただ車齢は70年にも達しており、相当老朽化も進んで改善勧告が出ているという話もありますし、またこの車両が走る鹿島鉄道自体も3月末で運行終了(廃線)となってしまいますので、残念ながらこの車両の活躍も終焉を迎える事になりそうです。
さすがにこれだけ古い車両ですと、鹿島鉄道廃線後にはどう考えても他社への譲渡といった事は考え難く、残念ながら廃車になる公算が極めて高いですが、随分改造されているとはいえ戦前の面影を残す貴重な車両ですので、せめて解体を免れて何処かで保存される事を望みたいものです。
「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、既にこの車両には乗車されたという方も居られるかと思いますが、なかなか乗り応えのある車両ですので、3月末の運行終了までにMAKIKYUも機会があれば再度乗車したいと思っていますし、皆様も茨城方面を訪れる機会がありましたら乗車されてみては如何でしょうか?
(特に首都圏にお住まいでこの車両に乗車された事がない方は是非乗車を!絶対オススメの車両です)
写真は玉里駅に停車中の602号とその車内、そして榎本駅に入線した601号です。