先日MAKIKYUが廃線迫る茨城県の鹿島鉄道を訪問した際は、帰り際にさほど遠くない関東鉄道竜ヶ崎線にも立ち寄りまして、今日はその際に乗車したキハ2000形と呼ばれる車両に関して取り上げたいと思います。
この車両は常総線に導入されているキハ2100形やキハ2200形と呼ばれる新型車両(最近では更に新しい車両も出ていますので、もう決して新しい車両ではありませんが…)の竜ヶ崎線版ともいえる車両で、10年程前に2両が導入された両運転台・オールロングシートの気動車です。
ただ竜ヶ崎線は僅か4km程度の盲腸線ですので在籍車両数自体が3両しかなく、その上残りの1両(キハ532号)は予備車的存在となっていますので稼働率は低い状況ですし、その上竜ヶ崎線はラッシュ時間帯の一部列車を除いて専ら1両編成で運行されますので、同線に乗車すると大抵は2両あるこの形式のどちらかの車両に当り、竜ヶ崎線の主力となっています。
この車両は竜ヶ崎線の3駅(佐貫・入地(いれじ)・竜ヶ崎)の3駅共にホームが同じ方向(竜ヶ崎方面行きの場合で進行方向右側)にある事もあって、竜ヶ崎側の運転台が右側に設けられて乗務員室扉もこちら側だけとなっており、また運転台と反対側(この車両の運転台は半室式です)は最前部までつり革が並んでいるのが特徴です。
(ただ普段使わない竜ヶ崎行きで左側に当たる側も、右側と同様に客用ドアがきちんと3箇所設けられています)
運転台の設置位置が右側という事自体、日本では一部の地下鉄(仙台市営地下鉄や名古屋市営桜通線など)や上信電鉄(自社発注車両)など少数派で、まして車両の両端で運転台設置方向が異なるというのは極めて異例ですので、これは他線に類を見ないこの車両の強烈な個性となっています。
また短距離路線で運行系統も佐貫⇔竜ヶ崎のみである事から、前面の行先表示は字幕やLEDなどではなく固定式となっており、常総線車両と異なりドア部分にステップが設けられている事や、途中に無人駅(入地)があるとはいえ佐貫・竜ヶ崎の両駅が有人駅である事から車内での運賃収受を行わない事なども特徴となっています。
この関東鉄道竜ヶ崎線、一応東京の通勤圏に入っている事もあり当面は安泰かと思いますし、車両も近代化されて地味な通勤路線ですので面白みには欠けると感じる方も居られるかと思いますが、短い路線で片道190円(今度運賃改正が予定され、少々値上げされる見込みです)で乗車でき、路線バスなどとの組み合わての周遊ルート(これも近日中に取り上げたいと思います)も楽しめますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様もこの方面へ行かれる機会がありましたら、是非乗車されてみては如何でしょうか?
画像は竜ヶ崎駅脇の車庫に停車中の2001号(側面運転席脇に注目)と、2002号の運転席付近の様子(竜ヶ崎方)です。