今日はリンク先サイトの一つである「セト市交通局」HPの改編に関するお知らせを掲載致しましたが、今日は同ページの再出発記念を兼ねて、「MAKIKYUのページ」では瀬戸市を走る名鉄瀬戸線の6750系電車に関して取り上げたいと思います。
この車両は名鉄の中でも、名古屋市中心部の栄町を基点に瀬戸市の尾張瀬戸までの間を走り、他路線とは完全に独立した存在となっている瀬戸線のみで活躍する電車で、正式には6650系と呼ばれる形式の一部に属しますが、平成生まれのこの車両はデザインや内装などが6650系初期の車両(MAKIKYUも一度だけ乗車した事がありますが、少数派でなかなか捕まりません)とは異なる事もあって6750系として区別されて呼ばれる事が多く、ここでも6750系として取り上げさせて頂きます。
この車両は一目見ただけでは瀬戸線で現在走っている車両の中で最も近代的な印象を受ける車両で、自動放送装置も設置されているのですが、下回りに旧型車両の再用品を用いている関係で、釣り掛け式駆動と呼ばれる旧式の動力伝達方式を用いている事がこの車両の大きな特徴となっています。
平成生まれの車両でこの様な事例は路面電車を除くと数少ない事から、この不釣合いな感じがこの車両の強烈な個性となっており、動き出すと重々しく騒がしい走行音は見た目とのギャップが激しく、その上瀬戸線は一応大都市圏を走る路線とはいえ編成も4両程度と短く、その上中心部からさほど離れていないにも関わらず無人駅が幾つも存在している状況ですので、車両だけでなく路線自体もどことなくローカルムードが漂う状況となっています。
そのためつい最近まで大手私鉄では名鉄と並んで釣り掛け駆動の車両(5000系列)を多数走らせていた東武鉄道でもこの手の車両が消滅した今日では、この車両は中京圏に限らず全国各地のレールファンから注目を集める存在となっていますが、一方では凄まじい騒音や振動などはサービス面では不都合で一般乗客や沿線からは不評を買う存在にもなっていますし、軌道保守の面でも問題がありますので、早急な改善が必要な状況になっています。
瀬戸線は優等列車も一応設定されてはいるものの線形なども決して良いとは言えず、他線とは独立した存在の路線でさほど高速運転の必要もありませんので、その気になればこの車両でもまだ使い続ける事が出来なくないとは思いますが、現在手狭で老朽化している喜多山にある車両基地に代わって建設中の新車両基地では塗装設備を省略し、瀬戸線所属車両を全て無塗装ステンレス車に置き換えると言われていますので、現在の同線所属車両は近い内に転属か廃車を余儀なくされる状況で、この車両は平成生まれとはいえ旧式の下回りでは他の転用先も考えられない事から、廃車の公算が高いと言われています。
しかしながら下回りは旧式とはいえ、車体は平成生まれという事もあって客室設備などは決して見劣りするものではなく、また下回りも交換による高性能化を想定している様ですし、名鉄では特急政策の変更(セントレア関連以外の特急は、本線以外も基本的に一部特別車編成へ)でまだ耐用年数には達していないパノラマスーパー全車特別車編成に大量の廃車が出る見込みですので、一部ではこのパノラマスーパーの下回りを活用した車体新造車が登場するとも言われている様ですが、それこそ
この6750系にパノラマスーパーの下回りを転用して高性能化し、何処かの支線ででも使い続けて欲しいと感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?
(そうすれば車体と下回り双方の耐用年数を考えても妥当な気がしますし、近年全廃となりましたが旧型の下回りを転用して車体を新造した小田急(旧)4000形などは、後年下回りを他車両から転用したものに取り替えて高性能化していますので、名鉄でも出来なくはない気がしますが…)