「MAKIKYUのページ」でも以前少々話題として触れた小田急(新)4000形電車、この車両は千代田線直通対応の新形式通勤車両で、5月に第1編成が納入、最近は第2編成も入線している様で、今後も更に納入が続くものと見込まれます。
この形式の第1編成は営業に向けて最近多摩線で頻繁に試運転を行っているという情報が出回っており、実際に「MAKIKYUのページ」リンク先サイト管理人様の中にも既にその姿を捉えて取り上げている方も居られますが、MAKIKYUも昨日は夕方に少々時間が確保できたこともあり、新百合ヶ丘駅ホームに張り込んでいると十数分で多摩線から(新)4000形第1編成が出没、特にダイヤなどは調べていなかったのですが、思ったより容易にその姿を間近で捉える事が出来ました。
MAKIKYUとしては既に海老名や相模大野の車庫内に止まっている姿は電車内から何度も目撃していますが、間近でその姿を捉えたのは初めてで、また車内の様子なども少々観察出来ましたが、試運転列車だけあって車内には計測機器や重りなどが積まれており、中にはドアから下回りに向かって伸びている配線が見受けられるのも印象的でした。
ちなみにこの車両はJR東日本の「E233系」をベースにしていると謳っているだけあって、部品の共用箇所が多数存在している事も影響してか、印象は同系とよく似ており小田急の車両という感はどうも今ひとつなのですが、客ドア窓部分の四隅が角張っていて車内側には黄色いラインが入っている辺りなどは如何にもE233系といった感があり、側面の行先表示機も標準化が起因してか、大きく見やすい先代の3000形に比べるとやや後退した感じがします。
車内もホームから見た感じでは化粧板が淡いピンクを帯びた辺りは先代の3000形と同様とはいえ、見た所では無地で、天井もFRP製になっているなど、用途が当面はほぼ千代田線直通列車に限られてさほど内装なども高級化しなくても充分と割り切ったのか随分質素な感を受けますが、つり革を釣っている金具なども従来の小田急通勤車とは異なるものとなっており、この辺りも標準化の表れなのかと感じさせられます。
ただ前面のデザインなどは結構インパクトがあり、ベースとなったJR車両とは別個のオリジナリティを打ち出せているかと思いますし、座席も見た所座り心地も悪くなさそうで、全密閉型モーターを採用する事で騒音低減も図られているようですので、この辺りは実際に乗車してみないと分かりませんが、それなりに評価できる車両に仕上がっていそうです。
また帯色のブルーも今までの通勤車両に比べてやや濃い色を用いていますが、そのため他の通勤車両では帯色とやや色合いが異なる小田急80周年記念ステッカーも、この車両では帯色と統一感があり好感を持てる気がします。
この(新)4000形は9月に営業開始の見込みで、当面千代田線直通列車を主体に活躍する見込みですが、運行開始した暁にはMAKIKYUも是非乗車してみたいと思っていますし、神奈川方面の他大手私鉄は地下鉄を介して都心以北・以東へ足を伸ばす路線・車両が幾つも見受けられる状況で、まして小田急らしさが薄れても敢えてJR車両ベースの車両を導入(随分議論を呼んでいますが…)した価値も考えると、その特性を生かして千代田線を介して線路がつながっており、既に小田急線内に乗り入れている東京メトロ車が足を踏み入れているJR(常磐緩行線)へも是非乗り入れ、将来的には江戸川を渡って千葉県(場合によっては更に茨城県まで)へも活躍の場を広げて欲しいと願わずにはいられません。
写真は新百合ヶ丘駅に停車中の(新)4000形の外観とその車内(ホームから撮影)、ちなみにこの記事では近年まで走っていた4000形と区別するため、この車両を(新)4000形として表記しています。