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北総監獄を走るであろう(?)電車~H:新1000形(ステンレス製)

2007-07-10 | 北総監獄

つい数日前の土曜日、先日取り上げたロマンスカー7000形復活旧塗装の記事にもトラックバックが送信されているred star様主催の集まり(2次会)に参加しており、この集まりは田端で開かれたのですが、その帰りにMAKIKYUが横浜市内某所へ帰るには山手線~東横線(渋谷乗換:東京~横浜間の移動では最も愛用している路線です)を予定していたものの、気が変わって久々に少々奮発して「快特」にでも…という事で、急遽品川から「赤い電車」で知られる路線に乗車する事に…

この鉄道は高速運転にやたらと拘りがある事で知られ、「快特」という種別はその象徴ともいえる存在ですが、MAKIKYUが「少々奮発」という表現を使う位ですので、安さと快適さを売りにしている東横線よりは早いものの、運賃は首都圏大手私鉄では比較的割高な部類に入り、「快特」は一応特別料金不要を売りとしているものの、実質的には運賃に特急料金ならぬ快特料金が包括されているといっても過言ではない気がしますし、都内に乗り入れる大手私鉄では唯一、都心を割安に抜ける移動には欠かせない交通機関でもある東京メトロとの接続駅がない事も更に割高感を感じる要因となっています。
(まあ線路が繋がっていて相互直通運転を行っている首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)や、その親会社などよりはまだ良いですが…)

ただそれでも自社線内のみを走る列車には昔から2ドアクロスシートの専用車両を用意しており、現在運行している2ドア車のグレードは首都圏を走る特別料金不要の列車ではかなり上位に位置するものですので、この車両に乗車できる限りは割高な実質「快特料金」ともいえる割高な運賃を奮発しても納得が行くのですが、昼間時間帯でも快特の半数は通称「ニセ快特」「SH快特」などと呼ばれる地下鉄直通快特で、これは3ドアの一般的な通勤型車両が用いられますし、最近は「ブカブカ」した好みが大きく分かれる異様な感触の座席を装備している車両の出没頻度が高くなっていますので、これには余程の事がない限りMAKIKYUは乗車する気にはなれません。

そんなMAKIKYUの事ですので、当然ながら「快特」に乗車するとなれば線内のみを運行する列車(下りの場合は泉岳寺・品川始発:通称A快特)を狙って乗車し、先日も2ドア車の登場を期待していたのですが、現れた車両は期待外れの3ドア車でした。

ただやって来たのは最近導入されたばかりのステンレス製車体の車両で、これにMAKIKYUが遭遇するのは初めてという事もあって少々乗車してみました。

この形式の車両は以前にも1次車を「MAKIKYUのページ」内で取り上げた事があり(該当記事はこちらをクリック)、概要などは1次車に関して取り上げた際に記していますので割愛しますが、この形式は増備される度に何らかの仕様が変更される程で、そのためバリエーションが幾つも存在しています。

とはいえ割合最近まで増備されていた車両は、アルミ合金製の塗装車体に海外製の機器を多用した下回り、車端部にボックスシートを配した座席配置といった特徴が踏襲され、外観のデザインや内装などもあまり変わらない事もあり、製造時期によって幾つもの差異が見られるとは言え、素人目にはさほど差異が感じられない事(「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は色々感じる方も多いかと思いますが…)もあって、同一形式である事が納得できる状況でした。

しかし今年に入ってから登場した車両は見るからに今までの新1000形とは別物で、仕様変更もかなり多岐に及んでいますので、どう考えても同一形式とは思えず、実質的に別形式といっても過言ではない気がしますが、まして現行車両の続番というのは理解し難いとMAKIKYUは感じます。

ちなみに今回登場した新1000形の最新編成ですが、仕様変更としては車体材質の変更(ステンレス製を採用)が最も目立つ点で、無塗装でカラーテープを貼り付けるのはこの鉄道では初めて(乗り入れ事業者の事例は幾つもありますが…)ですが、「赤い電車」を印象付ける為にかなり広範囲に紅色のカラーテープを貼り付けており、随分けばけばしい印象を受けます。

運転席高さや広さなども変更されたために前面形状もやや変化しており、側面も雨樋がかなり目立ち、運転席後部の窓が廃止された部分にはロゴが掲出されているものの、これも中途半端な感じが否めないなど、全体的にどうもスマートさに欠ける様に感じられます。

車内も車端部のボックスシートを廃止してロングシートのみとしており、そのロングシートは相変わらず「ブカブカ」した座席ですので「オールブカブカ」という恐ろしい状況になっており、この車両の座席に座るのであれば否応なしに「ブカブカ」座席への着席を余儀なくされますので、MAKIKYUとしては実質的に「無座」を余儀なくされ、これではとても長時間乗車しようとは思えない代物という気がしますし、運転席背後の座席が廃止された事もあまり評判が良くない様です。

また客室ドア内側の化粧板が廃止され、金属地が剥き出しになっている事や、天井にFRP整形品を用いている事などは、見るからにコストダウンした車両という印象を受けます。

その上車内案内表示装置はLCDではなく相変わらずLED、車外行先表示はフルカラーLEDを用いているものの、これも側面は相変わらず目を細めないと良く見えない様なやたら細長いものを用いているなど、近隣他社の最新車に比べると新鮮味に薄れ、仕様を某フィルムメーカーの「1回用カメラ」(レンズ付きフィルム)によく似たあだ名で呼ばれる事が多い車両に近づけただけという印象を感じますが、競合する路線の車両グレードを考えて同程度のモノというのであれば、せめて座席も同程度のモノを採用して欲しかったものです。

ただ下回りは今までの同形で特徴的だった海外製機器の多用を止めて国産機器を多用していますので、信頼性やメンテナンス効率の向上が図れると思いますし、騒音面では相変わらず他社の車両に比べると騒がしい印象を受け、振動を激しく伝える様に感じられる台車も相変わらずとはいえ、異様なまでに煩かった海外製機器を搭載した車両に比べると騒音面で大きく改善されているのは評価すべき点で、座席を改善すればコストダウン車両ながらも居住性の面では許容できる車両になるかと思いますので、今後はこの面での改善に期待したいものです。

あと余談ですが、今回のステンレス車体を採用した新1000形は仕様変更が多岐に及ぶ事や、同形式を導入した当初にトラブルが多発して慎重になっている事もあるのか、現在は線内運用に限定されている様ですが、近い内に地下鉄直通列車にも使用され、首都圏の辺境まで足を踏み入れる可能性が極めて濃厚な状況ですので、記事カテゴリー「北総監獄」、記事タイトルの冒頭は「北総監獄を走るであろう(?)電車」とさせて頂きました。

それにしてもこの車両は最新型で絶対の自信作という自負があるのか、現在は2ドア車に混じって花形の快特で運用(Wing号では使用されない様で…)している事も多いですが、どう考えても快特に重点運用される2ドア車に比べるとグレードは大きく見劣りする感がありますし、他社線への直通運用に充当されるとなれば、この車両に僅か1駅数分乗車するだけで300円を支払うという事態も考えられますので、これはどうも頂けない気がします。

この車両に関しては「赤い電車」の利用者やファンの間でも賛否両論が大きく分かれ、上記に記したMAKIKYUの見解とは異なる印象を持たれている方も大勢居られると思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様でこの車両に関して何か感じている事などありましたら、コメントも是非どうぞ。