MAKIKYUはさほどでもないのですが、友人との相互乗り入れの走行距離調整(?)と言う事で鉄道模型(Nゲージ)も多少集めており、先月下旬には久々の新車導入(模型購入)、そして数日前にようやく試運転を行ったのですが、その車両は5月に模型が発売されたばかりの321系電車で、今日はこの車両の実車に関して取り上げたいと思います。
321系はJR西日本のアーバンネットワークと呼ばれる近畿圏エリアの通勤輸送用に、2005年から増備がはじまったばかりの最新鋭通勤型車両で、乗客の流動が最も著しく私鉄との競合も激しい東海道本線(区間によって別の通称もついていますが…)やその直通線区の山陽本線、福知山線などの各駅停車に集中的に運用されていますが、これは既存の201系電車などを他線区に転用する事で東海道本線の各駅停車を新型車両(207系も含む)で統一し、性能面での向上を図る狙いもある様です。
編成は7両1編成で、編成内は1両(付随車:モーターのない車両)を除いて各車両の片側を電動台車(モーター付き)、もう一方を付随台車(モーターなし)として編成の組み換えにも容易に対応できる様になっているのが大きな特徴で、これは以前JR西日本がローカル線区用に製造したワンマン運転対応の単行形電車125系(小浜線や加古川線で活躍)に類似していますが、これだけの編成を組む車両でこの様な電動車構成となっている車両は他社を含めても類がなく、この形式の大きな特徴となっています。
先代の207系とは異なり4+3両での分割は考慮されていないのも特徴で、そのため京田辺以遠での分割運用が存在する学研都市線(片町線)への運用には現在充当されていませんが、将来的には乗り入れ可能となっている様ですし、また同線や直通運転を行っている東西線の列車でも分割を行わない列車も多数存在しますので、これらの路線に運用されても良いのではという気がします。
またこの車両はメーカーに纏まった両数を一括発注する事で、製造コストを大幅に下げている様ですが、それでも外観のデザインや内装は決して安っぽさを感じるものではなく、車内のグローブ付きの照明などはむしろ高級感を感じる程で好感を持てますが、LCDによる案内表示装置も中吊り広告の如く枕木方向にモニターが設置されているのも日本の他鉄道では余り見かけない大きな特徴(韓国などでは当たり前なのですが…)となっています。
近年見るからにコストダウン車両である事を感じさせる車両が続々と導入されているエリアに居る人間としては、この様な車両に日頃乗車できる方々が羨ましく感じ、線路が繋がっており、同じICカード(ICOCAなど)で乗車できる東海道本線でもエリアによって随分な格差があるものと感じさせられます。
ただこの車両が使用される列車は比較的混雑率が低いのか、つり革は枕木方向にはLCDモニター下部の目立たない場所に少し設置されているだけですし、座席も幅を広げた代わりに座席数が減少しており、座席脇の仕切りも混雑時には少々辛い造りとなっているなど、混雑時間帯の乗車には少々厳しいと感じる面も幾つか見受けられ、また加速性能も最新型の通勤車両にしてはやや劣るのも気になります。
(この様な特徴は、この車両が使用される路線と競合する私鉄の最新型車両にも見受けられますので、地域的特性と言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが…)