チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

4月のマカロン

2019年04月17日 | 菓子

晴、16度、79%

 お菓子作りはメモを見ないでも体が自然と動いて作れるようになる頃が一番楽しく感じます。和菓子も洋菓子も小さな手順の組み立てです。きちんと秤を使うものから大雑把に目分量でも出来るものまで、手と体が覚えて行きます。料理もそうですが、自然と体が動くことが「台所に立つ」ことの意味のように思います。

 たった4つの材料を組み合わせたマカロンの生地がオーブンで焼けています。その間にサンドするクリームは何にしようかと考えます。4月に入って、庭の緑が一層綺麗になりました。緑のマカロンを作ろうと思ったのにお抹茶が思ったより少なくて淡いペパーミントグリーンになってしまいました。お抹茶の濃い緑に合わせてホワイトチョコのガナッシュを挟むつもりでしたが、ペパーミントグリーンでは色合いが合いません。お砂糖を煮詰めたキャラメルが冷蔵庫にありました。バタークリームにキャラメルを混ぜ込んでクリームにしました。

 いつもより少し大きめなマカロンが焼きあがりました。 マカロンには「ピエ」と呼ばれる小さな足が焼いている間に出来ます。足というかマカロンの周囲に小さなレースのようなものが出来ます。冷めてからそっとシートから離します。バタークリームを絞り込みヒビが入らないように2枚を合わせます。

 中のクリームがガナッシュの時、バタークリームの時、ジャムの時で口に入れた時の歯触りが違います。マカロンの外側がハラリと崩れたかと思うとねっとりとアーモンドのメレンゲが口に広がり最後に中のクリームと一体になります。ほのかな抹茶とアーモンド、最後にキャラメルにコーティングされて口いっぱいに幸せが。

 自分の食べたいものを自分で作るのは、私の日々の楽しみです。

 

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コーヒーのカヌレ

2019年04月15日 | 菓子

晴、10度、58%

 今年に入って初めて焼いたカヌレ、最初はとても緊張して焼きました。型から取れないとか、焼いている最中に爆発するとか心配が先に立ちました。ところが一度焼いてみると、焼き菓子を焼き慣れた人ならさほど難しい菓子作りではないかもしれません。プレーン、アールグレー、キャラメルとアレンジもできます。昨日は濃く出したコーヒーで作ってみました。

  今ではオーブンに入れるとそのまま放ってあります。最初の時は付きっ切りでした。 焼き上がりを型から出すと、柔らかなカヌレです。この状態では香りが先に立つばかりで中のふにょっとした感触は楽しめません。待つこと20分、外側がロウ引きしたように硬くなります。まだ芯は生暖かい、この時が一番の食べごろです。と言ってもこれは焼いた人の特権です。完全に冷めてしまったカヌレも美味しい。冷めたカヌレをオーブンで温め直してもまた美味しく食べることが出来ます。

 カヌレはフランスの古くからのお菓子だそうですが、ずいぶん長いこと捨てれていたようです。再びブームになったのはここ数年の話だとか。時折送られてくるパリのフォッションのレターにはマドレーヌ、チョコ、マカロンと並んでいつも登場するカヌレです。確かに他のフランス菓子と並ぶとその地味さが際立ちます。華やかなお菓子の中に黒焦げのカヌレ、存在感があります。

 日本のカヌレはトッピングをのせたりと外見も華やかに。一度コツがつかめるとカヌレはハードルが高いお菓子でなくなりました。一番ハードルが高いのは、 もしかしたらこの銅製ののカヌレ型を買うことかもしれません。若干お安い合羽橋の銅製のカヌレ型がなかったら、私もいつまでもカヌレを焼くことがなかったと思います。先日、香港でフランスのマトファー社のカヌレ型を実際に手に取ることがありました。お値段も相変わらずお高いのですが、その型の銅の厚みに驚きました。

 外はかっちり、中はふにょっとしたカヌレの食感、ついつい手が伸びてしまいます。

 

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桃の節句

2019年03月03日 | 菓子

雨、8度、90%

 お雛様に飾った桃のひと枝も蕾を咲かせました。桃の花、ふっくらと女性らしい姿です。この私にとって桃はお節句の花ではなく、春節の花です。つまり中国の旧正月の花です。桃の木を根を切って大きなビルやマンションの入り口に一本飾ります。枝を飾るのではなく木を飾るのです。30年慣れ親しんだその桃の木姿に桃と聞くと春節を思い出します。初めのうちこそ根を切って飾られる桃の木を憐れみましたが、春節前に新界で大事に育てられている桃の木を見ると、「もうすぐ旧正月だわ。」と思いを馳せました。

 お節句のお菓子を作りました。 お雛様のお着物に因んで「重ね衣」です。巻いた練り切りの中に白あんを包みました。白あん尽くしです。桃の花のようにはんなりしたお味です。今日は一日優れない空模様と予想が出ています。「重ね衣」を携えてあと入院生活も少なくなった義母の元に行きます。

 お節句に桃を飾ることが重なれば、いつかは桃の花は旧正月の花でなくお節句の花となる日が私に戻って来るのかと苦笑まじりに考えています。

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雨水そして義父の命日

2019年02月20日 | 菓子

曇、11度、80%

 昨日は水も温むという二十四節気の一つ「雨水」でした.前日の夜半過ぎから降り出した雨は午前中いっぱい降りました。そして、午後からは暖かな南風が強い1日でした。つまり、「春一番」の風です。気温はぐんぐん上がり、福岡市は22度になったそうです。朝はしっかりと着込んでいた私も皮を脱ぐように一枚一枚服を脱ぎました。「雨水」の言葉通りの1日でした。

 今日は義父の祥月命日です。義父には孫娘を抱いてもらうことも出来ました。振り返ると、恩返しできたのはこの一つのことだけのように思います。まだ赤ちゃんだった孫娘をあやしてくれた義父の顔が浮かびます。厚揚げやインゲンなどの豆類が好きなところは私と同じです。日本酒が好きでした。私にお燗を頼むのですが、下手ックソでしたね。義母が介護を重荷に感じるようになって施設を探したのはこの私でした。義父が亡き後に義母が「施設なんかに入れるんじゃなかった。」と言った一言が今も私の胸に残ります。すまないことをしてしまいました。

 甘いものが好きだった義父の墓前にと「雨水」にちなんで薯蕷饅頭を作りました。お花も買ってあります。今朝は一番、義父の墓参りに出かけます。もうイノシシも出ないでしょう。雨上がり、きっと市内をすっきりと見渡すことができると思います。お墓の帰りに義母の病院に洗濯物を届けます。義父のおすそ分けで薯蕷饅頭も持参します。

 暖かな朝を迎えましたが、昼間は昨日ほど気温が上がらないそうです。暖かさに誘われるように猫たちの発情期の鳴き声がうるさくなって来ました。

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マカロン

2019年02月14日 | 菓子

曇、6度、68%

 色とりどりのマカロンを見ているだけでも幸せな気持ちになります。小さいときマカロンと言って手渡されたお菓子はこんな可愛い色をしていませんでした。しかもクリームがサンドされていなくて、今のマカロンの半分の大きさでした。パリッとした甘い外側から次に口に広がるアーモンドの香り、子供の私には敬遠すべきお菓子でした。それが近年フランス菓子の店先にはショーケースができるほどのマカリンブーム。買わずともうっとりと眺めてしまいます。

 作り置きができるマカロンは古くからのフランス菓子だそうです。卵白にお砂糖を入れてしっかり泡立てたメレンゲが正体です。久々にマカロンを焼きました。贈り先の顔を思い浮かべて色はピンクに染めました。優しい色に焼き上げるには、焼き色が付かないように細心の注意を払います。オーブンから出てきた丸いピンクのマカロン、可愛らしい姿です。作り置きのラズベリーのジャムと抹茶のバタークリームを挟みます。「お味見!」なんて言って私も一つ。 パリッと、そしてアーモンドの香りがするねっとり、そしてクリームが一体になって口に広がります。口溶けのよい外側の中に潜むねっとり、和菓子の最中にも通じるお菓子の楽しさです。 箱詰めしましたが、果たして間に合うかしら?

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スフレ地のロールケーキ

2019年02月11日 | 菓子

雨、7度、85%

 年が明けて、朝ご飯後のおやつと3時のおやつはずっとロールケーキです。2日に一度ロールケーキを焼いています。ホイップクリームを巻いただけのロールケーキは見た目は全く同じですが、生地が違うものを繰り返し焼いています。普通のジェノワーズの生地、シフォン生地、スフレ生地。この3つの生地を順繰りに焼いています。どの生地が美味しいのか?どの生地が巻き易いのか?生地を仕込む手順が若干違う3つの生地を食べ比べようと始めたのですが、どれも美味しいくて、どれも巻き易くて、答えが出ないまま焼き続けています。つまり、私はロールケーキが好きです。

 同じ型で焼きますから、基本的に卵の数は同じです。それなのに生地の流れ具合、焼き上がった時の膨らみ具合、生地の柔らかさはそれぞれ特徴があります。そしてどれも捨てがたく美味しい。3つの生地の優劣、好悪が決められません。昨日はスフレ地のロールケーキでした。3つの生地の中では膨らみが一番いい生地です。しっとりとしたきめの細やかさも特徴です。2日で1本食べますから、大きめに切っています。1日2回のお楽しみですが、そろそろ結論を出さねばと思います。中のクリームだけは常に同じものを作っています。普通のジェノワーズの生地の口溶けも捨てがたい、シフォン生地の弾むようなフワフワ感も捨てがたい、スフレ地のクリームとの一体感も捨てがたい。やっぱり結論は出ません。ただロールケーキが好きで2日に一度、何かにかこつけてロールケーキを焼いているようです。

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梅一輪

2019年02月02日 | 菓子

晴、5度、76%

 庭の白梅がちらほらと綻び始めました。沈丁花も道行く人が足を止めるほどに香り始めました。 梅は満開よりもポツポツと咲いている時の方が風情があるように思います。季節は春へと動いています。

 この2月は二人の父の祥月命日があります。今日は父が逝ってちょうど50年目です。この時間明け方に逝きました。香りのある花が好きな父でした。水仙、梅、金木犀、沈丁花、梔子。どれも庭にあるものばかりです。開き始めた梅をひと枝、父に捧げます。 

 父が起こしたのか、いつもより1時間も早く目覚めました。50年前の今日も寒い朝でした。つらつらとあの日も事を思い出しています。父、母、私のベットが3つ並んでいたのは今私がいる居間でした。50年、自分の人生もあっという間に過ぎました。父の年齢をとっくに越してしまっています。この家で亡くなり、この家から出棺しました。今の時代と比べ、考えてみれば幸せな死に方です。家を受け継いでいくとはこうした記憶も受け継いでいく事だと思います。

 生きていればもう97歳。出兵も経験しています。物の無かった時代を生きてきた二人の父は共に甘いもの、お酒、いい肴が好きでした。特に私の父はあんものを食べる量が半端ありませんでした。町のお饅頭屋さんのおはぎや水羊羹が大好物。そんな父を思って「梅一輪」の菓子を作りました。

 練り切りに小豆のこしあんを包みました。くどくない甘みに仕上がりました。「お父様、一つどうぞ。」墓前にはいい香りの水仙を供えるつもりです。時の経つのは早いものです。私もこの家で死ねたら幸いだと思います。

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カヌレ

2019年01月31日 | 菓子

雨、8度、92%

 見た目が真っ黒な「カヌレ」というフランス菓子を初めて食べたのは随分以前のことです。確かフランスのお土産でした。恐る恐る口に運ぶと、見た目とは裏腹に面白い食感、外のカリカリと中のもっちり、しっかり甘いのに後を引きます。

 フランスボルドーの古いお菓子だそうです。銅の溝がついた型で焼き上げるのだとか、種を流して焼けばいいのなら簡単です。早速、「カヌレ」の菓子型を探しました。銅製、しかもその頃はフランスのものしかありませんでした。つまりとてもお高い「カヌレ型」でした。断念していただき物の「カヌレ」を食べていました。先日、神戸の美味しい「カヌレ」を頂戴しました。帰国以来初の「カヌレ」でした。「やっぱり、美味しい!」再び「カヌレ熱」がむくむく。型を探します。さすが日本です、日本製の銅の「カヌレ型」を見つけました。しかも、フランスのものより小さいサイズまであります。お値段も随分とお安い。早速求めました。

 種を流し込んで焼くだけなのに、うまく焼くには難しそうです。港町ボルドーに集まるというジャマイカのラム、マダガスカルのバニラ、フランスのバターで種を仕込みました。 型に入れて高温で1時間も焼きます。久しぶりに緊張した1時間でした。初めて焼くのですから失敗してもいいのですが、できればうまく焼けて欲しいと、幾度もオーブンを覗き込みました。生地が浮き上がる、焼けても型からうまく型から外れないなどなど、心配します。10個とも見事な色付きでオーブンから出てきました。溝もしっかりついて型からポロリ。 外側カリカリです。いや、本当に緊張しました。「おいしい。」

  こちらが今回の立役者、銅製の「カヌレ型」です。長年の夢だった「カヌレをお家で焼く」です。焼き上がりを口に頬張って、やっと緊張もほぐれました。

 

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寒椿

2019年01月20日 | 菓子

曇、14度、85%

 今日は大寒、一年で一番寒い時期です。でも今朝は14度と昨日よりもぐっと気温の高い朝を迎えました。そして、今日は亡き母の誕生日です。

 最後の誕生日には施設からの許可が出て食べたがっていた握り寿司を差し入れしました。びっくりするほどがっついて食べた母の姿を思い出します。お箸を使うのももどかしかったのか手で口に運んでいました。部屋を出る時、「来年もまたお寿司ね。」と言ったのを思い出します。その7ヶ月後に亡くなりました。あの日からもう6年です。

 母の施設を見舞う時には必ず和菓子を持参しました。自他共に認める「あんこ好き」でした。香港から福岡空港に降りてまっすぐ施設に向かうようになると、香港で私が作った和菓子を持って行きました。滞在中は好きだった有名店の和菓子を食べ切れる数だけ求めて運びました。私がドアを開けると、「あんこは?」と聞くような母でした。

 大寒、母の誕生日、そんな思いで「寒椿」のお菓子を作りました。久々の和菓子作りです。外は外郎、中は白こしあんです。この季節、夕方の暗さの中でも椿の色が目に飛び込んで来ます。ぽってりとした赤い色に目が留まります。

 しばらくぶりでしたので外郎の生地がやや柔らかめに仕上がりました。一口食べました。 時間をかけて作った手亡の白豆の餡が豆の香りを損なわずに美味しく感じます。母に供えました。昼前には義母の病院にも持っていくつもりです。

 生きていれば今日で92歳です。ひとときの時間、母を偲ぶつもりでいます。

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さくらんぼのクラフティ

2018年06月02日 | 菓子

晴、18度、77%

 山梨からさくらんぼを頂戴しました。 息子の高校時代の友人の農園からです。家族ぐるみのお付き合いをさせて頂いて長い月日が経ちます。息子たちは家庭を持ち、子供もできました。昨年のクリスマスには、ご夫婦揃ってちょうど主人が帰っていた我が家に来てくださいました。日本のさくらんぼは色も可愛く、ほのかな甘さです。たくさん頂いたので、気が大きくなって「さくらんぼのクラフティ」を焼きました。お値段がお高いさくらんぼです。

 クラフティは簡単に焼けます。粉、ミルク、卵、お砂糖、クリームを合わせた生地をタルト型に入れたさくらんぼに流して焼くだけです。ふんわりしたスポンジのようなカスタードにさくらんぼが浮かびます。さくらんぼの種取りが厄介です。さくらんぼの種取り専用の器具があります。「さくらんぼクラフティ」のお国フランスのもので、さくらんぼを挟んで種を取る仕組みです。形が綺麗なので幾度も欲しいと思いましたが、お値段がうんと高い、それに、めったに登場することはない器具です。そこで、 こんな小さなくり抜きを使って種を取りました。タルト型一杯にさくらんぼを敷き詰めて、クラフティの生地を流します。 生地にはさくらんぼのお酒、キルッシュを入れました。焼くと、クラフティはスフレのようにどんどん膨らみます。さくらんぼなんか3センチほど型から持ち上がっています。大丈夫、冷めると型に収まります。カスタードの香りのそばから優しいさくらんぼが匂います。

 生で食べる分も取ってありますが、まだたくさんのさくらんぼ。そこで私専用のコンポートも作りました。毎朝焼くフランスパンにのっけるつもりです。 コンポートにもキルッシュを少し。瓶の中の色が素敵です。

 さくらんぼに始り、桃、ブドウと収穫にお忙しい時期が続きます。お忙しい中、ありがとうございます。ご無理なさらないでくださいね。

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