曇り、18度、94%
香港、市場で葉物の野菜を買うと、小ネギをおまけにつけてくれます。顔見知りになると、その小ネギも並々ならぬ量付いてきます。毎日行く市場の八百屋ですから、すぐにぬたが出来るくらいの小ネギの量になります。香港人も、この小ネギをタレにも入れれば、麺類にも使います。わけぎや博多ネギのように上等ではありません。時には、大ネギのようにぬめりが出るものもあるくらいです。でも、ただですから文句は言いません。
私、主婦歴だけはいっぱしに永いのですが、毎年お正月に今年こそと思うことのひとつに、小ネギの小口切りがありました。きれいに切り口の揃った小ネギの小口切り、今年こそは上達しますようにと思うのです。汁物に香りもよく青みが散っているのも、青魚のお刺身に添えられているのも、納豆だって小ネギがうまさを引き出してくれます。
力んで切ったってうまくいきません。包丁とまな板にお願いしても、八分目ぐらいまでしかうまく切れません。不揃いならまだしも、蛇腹になってしまいます。アコーディオンのような小ネギが、おうどんに添えられていてもちっとも美味しそうではありません。
それでも、思い続ければ、どうにかうまくなるものです。ここ数年、2回に一度は、ほれぼれするような小口切りが出来るようになりました。思わず、包丁とまな板にお礼を言いたくなります。
先日、このブログにまな板のことを書きました。皆さん、イチョウのまな板をお勧めです。中に、私よりひと回り以上もお若いのに、まな板の音のことを書いてくださった方がいました。イチョウのまな板で刻むと、いい音なのだそうです。想像します。少し籠りがちに高く響くまな板と包丁の音。リズミカルな包丁の音は、味、盛りつけと違って、料理する者だけに許される楽しみです。いつかは、イチョウのまな板で、小ネギの小口切りをと考えています。