晴れ、17度、84%
香港九龍サイド太子にある花市に行く時、以前の私は、今日は何の花をと心に決めて勇んで行ったものでした。最近は、まあ気に入ったものをとのんびり出かけます。こういう自分の変化を、年のせいなのか楽しんでいます。
先日、花市までの道を歩いていると、花市から帰って来る若い方が、白いトルコキキョウを抱えていました。薄く黄色がかかった白で、花びらの縁はややピンクを帯びています。その様子が、晴れ上がった春の空にとけ込むようでした。
香港の花市、基本的には月曜日と木曜日に新しい花が入ってきます。午前と午後の2回です。花の荷下ろしの時は、狭い道にトラックが止まり、お店の人も客の応対どころではありません。ちょっと一息つく昼下がり、花市も遅いお昼の時間です。この時間なら、こちらものんびりと花を見ることが出来ます。卸市でもありますから、12本、20本の丈も長いままの花束が、無造作に箱からバケツに移されています。売れ残った古い花、今入ったばかりの花、チェックするため花束を出したり入れたりしても、不思議にあまり叱られたことがありません。
いつものように30軒以上もある花屋をまずひと回りします。お店によって得意とする花の種類も違います。その日は、やっぱり白いトルコキキョウを買うことにしました。
白のトルコキキョウと一口にいっても、純白なもの、黄みがかったもの、ややピンクのもの、そして、莟はペールグリーンなのに開くと白くなるものと、様々です。暖かくなり始めたこの時期、そのどれもが入荷されてきます。
黄味がかったまろやかな白にも惹かれます。ほんのりとしたピンクをずっと薄くした白も素敵です。純白の潔さ、これも捨てがたい。でも、今回はこの緑がかった白を選びました。
莟は、 がくの色を薄くしたような、グリーンです。トルコキキョウは莟の形も、様になる花です。花持ちもよく、最後のひとつの莟まで花開きます。
花が開くと、 花びらの縁にグリーンが薄くはいたように残ります。この花姿が本当に好きです。メローグリーンと言う名前を持つトルコキキョウです。
八重のトルコキキョウもあるのだそうです。まだ、見たことはないのですが、一見、バラと見間違うほどと本に書いてありました。
花器は、ウォ−ターフォードのクリスタルにフォークシャーがグラスリッツェンされたものです。