曇り、21度、95%
柏餅を作りました。和菓子を作り始めたのは、ここ4、5年のことです。うまくいくときもありますが、人様には食べさせられないと、自分で全部食べて仕舞うこともあります。決して捨てたりはしません。
香港、和菓子は随分以前から売られています。それに小豆のあんを使った柏餅や大福に似たものなら地元にも沢山あります。買えばすむのですが、どうも自分で作ってみたいのと食べたいのとが半々ぐらいの動機のようです。素材の組み立て方は洋菓子に比べれば、明快に解りやすい和菓子です。小豆のあんと白あんさえ用意しておけば、いろいろなバリエーションが楽しめます。日本のように、このあんが市販されていませんから、あんこから作ります。小豆は地元のものを白インゲンは時には日本から持ち帰ってきます。和菓子に使う粉類、上新粉や白玉粉なども香港にも似たようなものがありますが、出来るだけ日本のものを手に入れて作ります。
2年前に、少したかをくくって作った柏餅、形といい食感といい散々な出来でした。耳たぶくらいの堅さに、なんて書いてあっても私の手はその堅さがどんなものか、実感がありません。永年作って来たケーキやパンのように、自分の中で目安となるものがないわけです。手探りとはよく言ったもので、昨日の柏餅作りのあいだじゅう、緊張して頭より手で覚えようとしていました。何でも、繰り返し繰り返し作れば、自然に体が動いて出来上がります。その繰り返しが、私の和菓子作りには欠けているようです。
家族に食べてもらいたいからというより、作ってみたい動機の方がずっと大きい私ですが、まずまずの出来の柏餅、今、冷凍庫に入って出番を待っています。「あんこの夢を見る」という私の母に持って行くためです。あんこ、母にとっては小豆あんのことですが、夢にまで見るというのは、おかしいやら哀れになるやら。
和菓子、あんと外の皮との堅さのバランス、程よい大きさ、素材が単純なだけにごまかしがききません。作る機会を増やして、おいしい和菓子を作りたいな、と思います。それにしても、私が母の年になったら、さて、何の夢を見るのやら。