曇り、28度、87%
先日帰国したおりには、バラ園を訪れる機会に恵まれました。庭に咲くバラは、切り花のそれとは違った趣です。何種類のバラがあったのでしょうか、持ち主の方も解らないと仰っていました。あの日以来、私の気持ちはバラモードに入っていました。
香港に戻って来て、さあ、花市へ。当然、バラを買うつもりでした。帰りにはバラの大きな包みを抱えている自分を想像していたほどです。香港のバラは、主に中国昆明から入ってきます。あとはベトナム、一番いい品種はオランダからです。
東洋の珍しい花をウォードの箱に入れ船で西欧に持ち帰った大航海時代から、人は変わらず花を求めて、世界を行き来しています。しかも、花は硝子の箱に入れられたり、空調の効いた飛行機に真綿にでも包まれるように運ばれます。
箱を開けられ荷下ろしされるバラの横に立って、品定めです。オールドイングリッシュのような花びらのバラは滅多に入ってきません。クリーム色が薄くピンクに染まったようなバラを探していました。あまりイメージがはっきりしすぎています。見つかりません。こんな花と思って花市に来ると、よくこういうがっかりを味わいます。
手ぶらで買えるにはもったいない、シャクヤク、あじさい、チューリップ、どれもピンと来ません。菊はねえ?と思いながら覘いてみます。大輪の菊ではありませんが、初めて見る菊が目に留まりました。以前、大きな黄緑の菊を初めて見た時は、それはビックリしたものです。この菊、 白い花弁に中心が黄緑、ところが花弁の縁がアイラインでもひかれたようにやはり黄緑です。
菊の種類も、洋菊、和菊ともに増える一方です。この菊は洋菊かしら、交配、遺伝子交換とまだ花たちは、種類を増やして行くのかもしれません。日増しにアイラインの黄緑が薄くなってきました。清楚な花が部屋にあるのは、湿度の高い香港では空気洗浄機のようなものです。