晴れ、25度、66%
主人は蜂蜜が好きです。私は嫌いではありませんが、種類に因っては喉がイガイガするものがあるので、どちらかというとメープルシロップが好きです。そんな主人ですから、出張先からも蜂蜜を携えて帰って来ます。中国にも蜂蜜はありますが、ライチの蜂蜜などは、きちんとした工場製品でないものなどに当たると、発酵し始めてぷくぷくと泡が出る始末です。日本の蜂蜜は、種類も多くいいものが沢山あります。そして、お値段もあっと思う程高いと思います。
ふた月程前、ヨーロッパに出張だった主人がポルトガルから買って来たものは、蜂蜜でした。可愛い2個入りセット、慌ただしい出張でしたので、空港で求めたものに違いありません。買い溜めてある蜂蜜を使い切ったので、やっと封を切ることが出来ました。
ローズマリーの蜂蜜です。小ぶりな瓶の方は、ローズマリーと何かの蜂蜜。ポルトガル語でよく解りません。 このミックスの方を先に開けてみました。蜂蜜よりもっと比重の高そうなどろっとした、液体より固体に近い重みのあるこれを一口舐めると、ヘーゼルナッツの香りがします。慌てて、ポルトガル語のavelaを調べました。やはりヘーゼルナッツです。しかも、ヘーゼルナッツのペーストにローズマリーの蜂蜜を加えたものだと分かりました。要するに、パンに塗るスプレッドです。ヘーゼルナッツだけのスプレッドはよく見かけますが、蜂蜜と合わせたものは初めてです。
そこで、ローズマリーのだけの蜂蜜を開けました。 やや澄んだくせの無いマイルドな味です。喉にチクチクとしません。こんなくせの無い蜂蜜だから、ヘーゼルナッツと合わせることが出来るのでしょう。
このSerramelという蜂蜜屋さん、沢山の種類の蜂蜜とジャムを作っています。このローズマリーの蜂蜜は、ポルトガルの中央山間の自生のローズマリーから自然採取したものだそうです。
10年程前、ポルトガルに行きました。オリーブの木は、もちろん至る所に見られます。初めて見たのは、コルクの木でした。しかも植樹されたコルクの木でした。そして、家の庭先に背の高い木が見られます。なんだかローズマリーに似ています。ちょいと葉っぱをひねってみると、やはりローズマリーです。ギリシャ地中海一帯を、原産とするローズマリー、こんなに背が高くなるものかと見上げた覚えがあります。
この蜂蜜を舐めながら、またしても私は、ポルトガルの山間にあるローズマリーのブッシュを思い浮かべます。その小さな花に群がる蜂たち、自然の恵みです。ミツバチの世界的減少が叫ばれて、随分経ちます。ミツバチがいなくなる、植物の生態系が変わるはずです。もちろん、この自然の恵みの蜂蜜も食べられなくなります。私一人では、どうすることも出来ないと思いつつ、ひと匙ひと匙、蜂蜜を舐めてます。