曇、15度、75%
二日続けて義母の面会に行きました。冬の乾燥から体の皮膚が弱くなり床ずれのような症状が出ているので、殺菌ガーゼや防水テープを持って行きました。 細かい医療品の進歩に驚かされます。ドラックストアーで買い求めることができます。二日目は面会予約を入れていませんでした。この2点を届けるだけのつもりでした。ところが義母の姿がホールに見えます。職員の方にお願いして会うことができました。
前日もよく笑いました。会う度に目が白っぽくなって来ました。ところが昨日は黒目がはっきりとしています。しっかりと目を見て「また来たよ。」と言うと義母がニット笑います。声が細くなりました。義母も「声が出ない。」と言います。口が動くと耳を口元へ寄せて話し声を聞きます。聞き取れないことの方が多くてもどかしい。主人がつい先日来たことも忘れています。それでもLINEのテレビ電話の主人ははっきりわかっています。言葉が電話を通して主人に伝わらないので私が代弁です。昨日は切り際に義母がバイバイと手を振りました。
昼食時になったので「また来るから。」「待ってるよ。」と施設を後にします。笑い顔が多いと私は嬉しくてたまりません。でも車に乗ると運転席でグッと胸が重くなります。嬉しいはずなのに気持ちが落ち込みます。義母との残された時間が少なくなって来ていることを感じるからでしょう。家に着いてもその重苦しい気持ちが後を引きます。
義母は生きていることだけで私にたくさんのことを教えてくれています。この一年、義母の中の荒々しいもの、角張ったものが姿を消しました。そして静かで穏やかな義母になりました。私の母は86歳で亡くなりました。元々気性の強い人でした。最後に会った時まで荒々しい言葉を私に投げかけました。義父は92歳で逝きました。義父は穏やかになり始めたばかりでした。96歳を迎えた義母は座っている姿にも和みが見えます。
言葉で教えられているのではありません。その姿、その雰囲気、その眼差しが私に生きること、歳をとることを教えてくれています。病気もありません。車椅子ですが、寝たきりでもありません。ありがたいことだと思います。短い時間の面会です。この時間を大切にと感じます。義母に会うのが私の楽しみです。