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建築物、大きいもの小さいもの、新しいもの古いものどれも興味深く観ます。公共の建物、商業施設、民家、私はどれもに建てた人の反映を見ます。
2013年に発行の「小さな建築」、隈研吾の本です。建築の歴史は大きな自然災害を契機に発展、変化を遂げているという視点で書き進められています.そしてご自分の美観でしょうが、大きな建築は醜いと書かれていました。隈研吾の建造物は確かに大きさを誇るものではありません。2013年という年でお分かりかと思いますが、2011年の東北地震がこの本を書くきっかけだったのではないかと想像します。
昔は大火災で街が焼け野原になりそこに人間は次々に大きな建造物をつくりました。それは東京に限ったことではなく、パリやニューヨークでも同じだそうです。大きさを競う根元には建築素材のコンクリートや鉄材の量産が貢献します。建築家は大きさ、形、外観に奇抜を好むように思います。そこは「小さな建築」という隈研吾も同じです。「大きな建築」の中にある「小さな建築」は目を惹きます。隈研吾の建築の本は素人の私にも読みやすく、いつもたくさんのことを教えてくれ「建築物」への思いが深まります。
振り返って自分住むこの家を見ました。築100年近く、耐震設計なし。床下に潜れば柱の基盤は「石」です。屋根裏に入れば大小の「梁」が釘を使わずに接続されています。地震が来ればペシャッと潰れそう、火事に遭えばすぐに燃えるでしょう。「小さな小さな建築」です。