曇、29度、62%
電力王と言われた茶人でもある「松永安左エ門」の茶道具は福岡市美術館に寄贈されています。その「松永コレクション」は季節ごと、美術館の一角で展示されます。昨日から始まった「秋の名品展」の展示物の紹介にどうしても見てみたいふた品がありました。
重要文化財に指定されている「花籠図」、彩色された秋の花が竹籠に入ったお軸です。秋らしい控え目な花の色具合、仄暗い茶室の床の間によく映えるのではないかと思いながら眺めました。
「色絵菊図向付」は実は写しを持っています。本歌を見るのは初めてのことです。 型抜きで作られたと言う面白い形の向付です。江戸の時代にありながら乾山の作るものはデザイン性を帯びています。モダンとすら思うことがしばしば。絵筆がぐいと伸びてそれでいて繊細です。
こちらが我が家の写しです。写しはいわば偽物、日本のこうした「偽物文化」も面白く思います。真似して作る立派な贋作です。銹絵が多い乾山の器の中でも豊かな彩色の器です。
しばらく美術館通いもままならない時間が過ぎました。久しぶりに心落ち着くひと時でした。大濠公園にある美術館です。外に出ると37度を越す残暑の乾いた空が広がっていました。
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