雨、18度、87%
亡くなった義母が股関節の骨を入れ替える手術を受けたのは、私が帰国して一年経たない頃でした。術後、ふくらはぎに痺れが出たので病院からサポーターが出されました。サポーターが強く締め付けるので義母は嫌がりました。年が明け寒い季節でした。そこで、私用に買ったばかりの「ハイソックス」を義母に持って行きました。しっかりとふくらはぎをサポートしますが、柔らかく暖かなウールの「ハイソックス」を義母は喜んで履いてくれました。
ここ数日、昼間の気温は20度を越しますが朝は寒く感じます。短めのソックスでは足元がひんやり、そこで「ハイソックス」を履きました。義母が亡くなった後、荷物の整理中で出てきた「ハイソックス」は七年前術後に義母が毎日履いていたものです。入院中でしたからソックスの足底には義母の名前が私の字で書かれています。まだ下ろしていなかった「ハイソックス」を義母に持って行きました。このソックスを私が履くのは初めてです。気温が上がるまでの数時間、この「ハイソックス」を履いて過ごします。暖かです。義母は「初めてこんなソックスを履いた。」と言っていました。義母世代は「ハイソックス」に馴染みがなかったのでしょう。
今朝は気温が高めです。静かな雨が降っています。義母が逝って一年が経ちました。義母の名前が書かれた「ハイソックス」を履いて義母を思います。