曇、27度、72%
「タイ米」を買いました。しかも5キロです。いえ、5キロだから買ったのです。
お米には「日本米」のような短くて粘りの強いお米と、細長く粘りのないお米があります。お米が主食の国でも国によって採れるお米が違います。香港に住み始めて最初に困ったのはお米でした。当時は日本からのお米はなく、「日本米」種はニュージーランド産かアメリカ産の物を買うしかありませんでした。一般に香港人が食していたお米は中国の大米、タイのロングライス「タイ米」でした。日本人学校に通う息子の毎日のお弁当には、ニュージーランドの「ダブルシープ」という銘柄のショートライスを使っていました。アメリカ米の方が美味しい買ったのですが、お値段がそれなりに高かったと記憶しています。普段の食事も主人と息子は「ニュージーランド米」でした。今から30年以上前のことです。そしてこの私は「タイ米」が30年間の主食でした。
「タイ米」を食べた方は臭いとかおっしゃいます。別名「ジャスミン米」とも呼ばれる「タイ米」です。「ジャスミン」の匂いがするのではなく、炊き上がりにいいご飯の匂いがするからです。「日本米」の炊き上がりの香りとは違います。土や水が違うからに違いありません。粘りが出ない「タイ米」はさらっと炊き上がります。粘りがない分お腹にすんなりと入ります。いくら食べてももたれません。ロングライスの特徴でしょう。インドの「バスマティライス」もその仲間です。そして「バスマティライス」もまた違ったいい香りがします。
帰国の引っ越しの荷物にも「タイ米」を入れました。主人が帰国するたび少しずつ持ち帰ってくれました。ところがこの1年半、主人は帰国できません。とっくに「タイ米」は底をついていました。時折、輸入食品を扱う店でほんの500グラムぐらいが売られています。その値段を見ると高すぎてとても買う気になれません。しかも500グラムのお米なんかすぐになくなります。数日前、飲食関係の人向けの店に行きました。東南アジアフェアーでベトナム、タイの食材がいつもより充実していました。フォーメンやライスペーパー、ナンプラーなどは普通のスーパーでも手に入るようになりました。見つけたのは「タイ米」5キロ入り、値段は「日本米」5キロとほとんど変わりません。もちろん迷わず買いました。
水加減は「すしご飯」を炊くときの要領で「日本米」同様に炊きます。粘りが出ませんが土鍋で炊いて、おひつに移すのもいつもの通り。土鍋の蓋を取ったときの香り!懐かしさがこみ上げてきました。私にとっての30年間の主食です。「これよ、これ!」と口に運びます。 香港の中華レストランでは「てんこ盛り」されて出てきます。もっと丸く盛り上がって盛られます。夏中、「タイ米」で凌ぎます。
買ったお店の店長さんに常時「タイ米」を置くのかと尋ねました。このフェアーの間だけだそうです。残念。
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