チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

イエナグラス

2022年02月14日 | 身の回りのもの

曇、7度、83%

 ドイツのイエナでは古くから「耐熱グラス」が作られているそうです。「耐熱グラス」というとコーヒーポットやキャセイロールのような実用的なものを思い浮かべます。ところが1930年代にこのイエナで作られた「耐熱グラス」はその美しさがひと味もふた味も違います。ヴィルへルム・ヴァーゲンフェルトという人のデザインした「ティーポット」「ティーカップ」は耐熱グラスでありながらその透明感や流れるようなフォルムが一際美しいものです。近年、復刻版が作られてグラビアで度々目にします。「ティーカップ」も「「ティーポット」も十分に持っているので買うつもりはありません。見ているだけでその優雅な姿に満足します。

 昨日も半日雨でした。手元にある雑誌でこの優雅な「イエナグラス」を見ていて急に思い当たったことがありました。「もしかしたら?イエナグラスかもしれない?」と台所に飛び込みました。小さい頃から我が家にあるガラスのコップ、唯一、母からのもので手元に残したグラスです。確か底に何やら書かれています。メガネを持って来て日に透かして見ると、「イエナグラス」と「メリタ」としっかり刻まれていました。「イエナグラスだったのね!」と大喜びした私です。

 福岡には「ニック」という今で言うセレクトショップのようなものが改築中の「福ビル」の3階にありました。海外国内のデザインの良いもの、知名度が高いものが集められていました。この店に行くのが好きでした。まだ小学生だったと思います。1960年代のことです。母がこの「ニック」で買い求めたのはガラスのコップでした。赤いプラスチックの取り外しのきく持ち手がついていました。持ち帰り箱から出て来たガラスのコップたちは、この暗い日本家屋の家にパッと明るさを持ち込んでくれました。母たちがこのグラスでお茶やコーヒーを飲むのを見るのが好きでした。

 結婚して一度母に「このグラスちょうだい。」と言ったことがあります。でもいつの通り、「ダメよ。」の一言。待ちました。待ちました。いずれ私のものになるはずです。この家の整理の時に当然このグラスは残しました。4つあります。赤いプラスチックの持ち手は傷みもあり捨てました。 1930年代のものに比べるとやや厚みがあるように思います。それでもこの丸みがなんとも言えず、手のひらに乗せても落ち着く大きさです。

 昨日調べたら、プラスチックの持ち手がついたものは1960年代生産だとわかりました。優雅ではありませんがラインの綺麗なグラスです。

 現在もデザイン性の優れたものがイエナでは作られています。2重構造のガラスのコップなど保温性に優れているそうです。実用的なものにまでデザインを求めるドイツの国柄でしょうか。雨の半日、このグラスを幾度も手にしました。さてどうやって使おうかな?


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