チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

the Flower Boat Girl

2022年02月13日 04時36分06秒 | 

雨、7度、82%

 「香港海事博物館」が香港島スターフェリー乗り場にできたのはそんなに昔のことではありません。スターフェリ乗り場の移転時に開館しました。香港は昔から海によって育てられた地域です。そのことを教えてくれる展示がなされています。帰国後は一日1度、ニュースレターをfacebookで受け取ります。 催しやレクチャーのお知らせです。昨年秋に1冊の本が紹介されました。「theFlower Boat Girl」です。実話に基づいた話でその後この本の座談会もこの博物館で幾度かありました。興味を覚えて取り寄せました。アメリカのAmazonから送られて来た本、奥付を見てびっくり、香港ランタオ島の港にある小さな出版社から出された本です。

 南シナ海、日本の方には馴染みの少ない海の名前です。台湾より南、ベトナム半島ぐらいまでを含む中国南部に面する海の名称です。香港もこの海に面しています。この辺りは昔は海賊が行き来した海です。その海賊世界で活躍した女性の半生を書いた本です。

 1800年初頭、貧しい家に生まれた少女は成長して娼婦となります。「flower boat girl」はその意味です。近隣の戦争で逃げ出した彼女は海賊船に助けられその船長の妻に迎えられます。海賊は1隻の船ではなく数隻が集団となって盗賊を働いたり戦いをしていたそうです。その多くの船を束ねる海賊の頭領の妻になりました。もともと気の強い彼女は戦いの時も大砲を操ったりと男勝りの働きをします。頭領の夫にも様々な進言を重ねます。子供を欲しくないと思いながらも2人の息子が生まれ、この海賊は数百隻の船を率いるようになりました。ベトナムの王室の護衛をしたり話は南シナ海をめぐる19世紀の半ばに入ります。この辺りは大型台風が毎年襲う地域です。日本で思う台風より大型です。ある台風で頭領である主人を亡くした彼女は、頭領の跡目を決めなくてはなりません。息子たちはまだ幼く、自分も台風で大怪我を負いました。四十九日の法事までに決める掟があります。選んだのは息子たちが生まれる前に養子に迎えた男性でした。

 彼女の心の動き、娼婦出であることを明言し、一旦は自分が頭領を引き継ぐことも考えるその辺りがいかにも中国人女性の強さを表した小説です。 香港を含む南シナ海の海図、私には馴染み深い地名や中国のしきたりが本に散らばっていました。

 この本が着いてすぐ年末に入り、読み始めても他の本を読んだりとずいぶん時間がかかりました。会話の中には広東語も出て来ます。香港の地名も出て来ます。香港を思い浮かべながらの時間でした。中国人女性は日本女性とは違った強さがあります。実際の人物であることが頷けます。最後のページに、2022年中に続編が出版されるとありました。またAmazonさんに送ってもらいます。


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