晴、10度、74%
アメリカの雑誌で奇妙な花を見たのはいつのことだったか?花なのか?虫のような花です。 その花の写真をページを切り取りました。そしてずっと目に付くところに置きました。20年以上こうしてこの一枚の切り抜きを持っています。説明文には「フリチラリア メレアグリス」と書かれています。長い覚え辛い名前を幾度も口にしました。
私が「この花が見てみたい。」と思うのは「育ててみたい。」と同じ意味のようです。白ぽい「バイモ」は日本ではよく見かけます。帰国後この白っぽい「バイモ」はすぐに庭に植えました。でも探し求めているのは、黒っぽい「コバンユリ」です。毎年秋には「コバンユリ」の球根を探しました。昨年やっと見つけた小さな球根から芽が出たのはひと月前、花が咲きました。 網状の模様が入った花弁は虫がぶら下がっているようにも見えます。近づいて見ると綺麗な濃い紫に緑の線状模様です。「コバンユリ」を植えた場所はあまり足が向かない庭です。でも発芽を見て以来、日に幾度も様子を見に行きます。3つ、花芽がつきました。か細い茎はかすかな風に揺れます。
この花を手に入れるまで、20年。恋い焦がれ、思い続けました。群生させるより一本一本、すっと咲かせた方が「コバンユリ」らしいと思います。帰国後7年目の庭です。ずっと思い続けた植物たちが集まっています。どうしても咲かせることのできない高山植物もあります。植物はやはり土地柄、気候気温に大きく左右されます。
「コバンユリ」がウクライナ原産だと知ったのはつい最近でした。風に揺れる「コバンユリ」に戦地の国を重ね合わせています。戦いが終わって欲しい、平和になったウクライナに「フリチラリア メレアグリス」が咲きますように。
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