晴、5度、66%
義母の病院に届け物をして家に帰ると「不在配達票」がポストの入っていました。「クール便」、送り主は香港での教え子です。ドライバーに電話を入れました。「近くにいるからすぐ行きます。」
いつものクロネコさんから手渡されたのは小さな箱でした。「なんだろう?」急いで冷たい包みを開けます。中から出て来たのは、 「維新號」の包みです。「維新號」が店で売っているものは「中華まん」と「シュウマイ」だけですから、すぐに「シュウマイ」とわかります。お礼のメールを入れるのももどかしく、ごはんどきでもないのに早速蒸籠に入れて蒸し始めました。
蒸しながらメールを入れました。教え子はただいま子育て真っ最中、40歳に入ったばかりです。折り返し返事が来ました。「久しぶりにデパートの地下に行きました。「維新號」の前を通るといつも先生のことを思い出します。」5年近く教えた彼女とはいろんな話をしました。肉まんの話もしたのだそうです。香港や中国の肉まんも美味しいけど、東京の「維新號」の肉まんも美味しいよ。と私が言ったそうです。そしてここは「シュウマイ」も美味しいの、と言ったことまで覚えていてくれました。
私が「シュウマイ」好きなのは家族しか知らないと思っていました。香港の黄色い皮の「魚肉シュウマイ」のような学生が屋台で買うお安い「シュウマイ」から飲茶の「エビシュウマイ」まで「シュウマイ」に目がありません。しかもたくさん食べます。もちろん日本の料理屋の大きな「シュウマイ」も崎陽軒の小粒な「シュウマイ」も好物です。
維新號の「エビカニシュウマイ」「肉シュウマイ」それぞれ8個入りを半分、蒸しました。熱々の「シュウマイ」を食べながら彼女からのメールを読みました。私に「シュウマイ」を買ってくれた日には家族に一つずつ「肉まん」を買ったそうです。一つでお腹がいっぱいになる大きさです。美味しかった、と書かれていました。
私は勉強を教えたつもりですが、教え子たちは勉強以外のことばかり覚えていてくれます。ほとんどが家庭を持ち、社会で仕事をしています。私のことなんか忘れてくれてもいいはずなのに、覚えていてくれることが嬉しくて、「シュウマイ」を食べながら涙が出て来ました。半分は勿体なくて冷凍庫にしまいました。
彼女のメールの最後、「でも高かった!」と書かれています。やりくり大変な中、私にまで贈り物、私には高価な高価な「シュウマイ」です。大好きな「シュウマイ」を初めて涙しながら食べました。
真奈さん、お幸せ❣️