雨、12度、90%
街の空気が昔よりきれいになったのか?食べ物の匂いがしなくなりました。日暮れの家々の台所からの夕飯の匂い、福岡の豚骨ラーメン屋さんのスープを取る匂い、お蕎麦屋さんの出汁の匂い、無くなりました。流行りの唐揚げ屋さんの油の匂いが鼻を付くぐらいが食べ物の匂いです。食べ物の匂いが街に溢れていた子供の頃を懐かしく思います。
私が育った福岡西方の商店街では、冬になると「豚まん」?「肉まん」?ののぼりを立てた中華屋さんが店先で湯気モクモクの「肉まん」を売っていました。「ピザまん」「カレーまん」なんてありません。確か「あんまん」もなかったと思います。大きなふかふかの「肉まん」でした。湯気とその肉まんの匂いに冬の夕暮れが重なります。
寒い時期は「湯気もご馳走」と思うようになりました。家の窓ガラスが曇ろうが換気扇も回さずに湯気を眺めます。 蒸し上がるまでは、じっと蓋を取るのを我慢。匂いが良くなって来たら「豚まん」の顔を見るのが楽しみです。つやつやと微笑んでいます。時には綴じ目が開いて大笑いしているようにも見えます。そこで、もう一度蓋をして、ぐっと待ちます。
大きめの「豚まん」4つ、お腹に収まりました。紙袋に入れてもらった「豚まん」を大事に手のひらにのせて家に急いだ昔の自分がそこにいます。
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