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30年近く香港に住んでいますが,盲導犬を連れた方に出会ったことがありません。犬を家で飼うのも今では流行を超えて当たり前になって来ましたが、以前は犬を飼う人は殆どいませんでした。空港や町中で警官が連れている警察犬、麻薬犬は早くからいました。中国人は,今でも犬を食用にします。そんな食文化的な背景があるのでしょう。
最近、犬の何とかフェアに行くと,盲導犬のための募金箱が見られます。「香港導盲犬服務中心」HKSEDSという団体が2012年に出来たそうです。警察犬や麻薬犬の話題は新聞でも取り上げられますが,盲導犬にいたっては殆どありません。香港は町中のバリアフリーも進んではいません。白い長い杖をつきながら歩く人にとっては危険が一杯な町です。そういう気忙しい香港ですが,意外に香港人、目の不自由な人や老人には若い人も気持ちよく手を差し伸べます。広い道を渡る時手を貸したり,地下鉄のプラットホームでは電車との隙間を気遣ってくれたり,昔から見る光景です。
募金箱から知った香港の盲導犬,募金箱だけのつながりで実態を知りません。まず盲導犬を目にしませんし,公共の建物にも盲導犬の許可マークなどでていません。盲導犬ばかりか,そういう社会的な関心がまだ発展途上の香港です。
昨日我が家からセントラルに向かう人通りの少ない道を歩いていると,黒ラブとおじさんが上がって来ています。おじさん立ち止まって黒ラブに赤い服を着せ始めました。さっき雨が上がったばかりなのにと思いながらすれ違い様に見ると、「導盲犬訓練中」と背中に書かれています。思わず立ち止まり,色々尋ねますが,おじさん何一つ返事をしてくれません。ただニコニコ。犬もニコニコ。
そこで家に帰って,早速HKSEDSを調べました。
盲導犬自体にもお金がかかるとは知っていましたが,何よりも訓練に時間とお金がかかる盲導犬です。香港には登録されている盲導犬が13匹、内、実際に盲導犬として活躍しているのは僅か2匹。残りの11匹は,ただいま訓練中です。嬉しい事に,その13匹の半分が日本生まれです。関西盲導犬協会から寄贈された犬,台湾の盲導犬協会を経てやって来た犬、イギリスの盲導犬協会から寄贈された犬たちです。
11匹の訓練中の犬のうち2匹が昨年産まれたイギリスからの黒ラブです。私が会ったのは,女の子のDELSIEちゃんだったようです。
盲導犬は実際の訓練に入る前に里親の元で人間生活に馴染む時期があります。里親になる人はPuppy Walker と呼ばれます。一時期,このPappy Walker になりたくて調べたことがありました。難しい決まりがあります。どうも私のような性格では無理だと思い至ったものでした。
私が昨日であったのは、このPappy WalkerのおじさんとDELSIEちゃんです。香港のPaapy Walker、最低3カ国語、広東語,北京語、英語が話せる事,と条件が出ています。おじさん,きっと私の下手な英語がわからなかったのでしょう。
さあ,11匹のうち何匹が盲導犬として活躍してくれるのでしょうか。目の不自由な人のために身を呈して働いてくれる犬たちです。
Pappy Walkerでは荷が重いと感じた私、出来たらリタイヤーした犬の面倒を見れたらいいなと今では思っています。でも、大おきなラブラドールのおじいちゃんおばあちゃん犬の面倒もこれまた体力仕事のようです。
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