曇り、17度、82%
香港かろうじて四季を感じますが、それも微々たるもの、秋をよく感じないまま短い冬に入ります。今日は旧暦の大晦日、つまり、明日は春節。旧暦のお正月です。この旧暦のお正月が一番寒くなるはずの香港ですが、今年は暖かです。今、私は半袖。今日の夕方までは、町中年末の大賑わいを見せます。もちろん、夜を通してのお祝いは日本と変わりありません。
12月の寒さから一変、1月も気温が高めで過ごしました。山を見ても、一番うら寂しい時期にも関わらず緑があちこちに残っています。香港では、バナナの木がひょこひょこと人が居住する辺には生えています。流石に町中にはありませんが、マンションとマンションの隙間、マンションの裏などに2、3本かたまってその姿が見られます。やはり沖縄より南にある香港です。バナナといえばプランテーションの背の高い木を思い浮かべますが、種類の違いもあるのか、そこら辺に生えているバナナの木はさほど高いものではありません。
見出し写真のバナナの木は、我が家から一番近くのバナナの木です。香港動物園の上の斜面に生えてます。大きな平行葉脈のバナナの葉は、風に吹かれると、切れ切れになります。大きな台風がきても、木質の植物とは違い、幹も縦長の繊維質のおかげで、バッタリと根こそぎ倒れているのを見たことがありません。おそらく、強風のときはその風に合わせて自在に幹を横倒ししているのではないでしょうか。
もちろんバナナを付けます。 黄色い病葉の影に少し大きくなり始めたバナナがなっています。こんな斜面ですから、人間さまは手が出ません。空から舞い降りて来る鳥たちだけが、ご馳走に預かります。このバナナは、普通のフィリッピンのバナナより大きめ、筋がたくさん付いています。ところが、その甘さは、なんともいえず実質は締まっています。市場での売り値は輸入のバナナより高めです。皇帝バナナ、モンキーバナナは調理にもむきますが、地元のバナナはそのまま食べるのがお勧めです。2月のこの時期に実を付けているのは、珍しい、やはり気温が高いからでしょう。
先日、沖縄の糸芭蕉をテレビで見ました。香港のバナナの木と高さは同じくらいです。芭蕉から糸を紡ぎ出す様子を見ていると、香港のバナナの木でも出来そうに思います。糸芭蕉のように、糸に紡がれるバナナの木。葉っぱは殺菌作用があるそうで、もっと南のタイやシンガポールでは、このバナナの葉っぱに食べ物を包んで料理を供します。我が家のタイ人のお手伝いさんは、バナナの葉に包んで冷蔵庫に食べ物を保管するのだと教えてくれました。実の先に付く赤いこぶし大の花は、タイではサラダに、ここ香港ヤフィリッピンではスープにして食べます。そういえば炒めものにしても美味しいのだとか。
香港島セントラルのアイスハウスストリートから山向きに見上げると、このバナナの木の群生が見られます。私はこの亜熱帯的な風景が大好きです。