おはようございます。はや、六月ですね。今朝は恐竜の話です。
上野の科博で開催されている恐竜展2016もそろそろ閉幕を迎えようとしている。ぼくはGWも終わろうかという5月6日に見学してきた。その日は子供たちも学校で、そのせいか、随分、空いていた。展示室もゆっくり廻れ、今回はゆうゆうと写真も撮ることができた。昨年の”生命躍進展”のときだったか、日曜日だったので、大変な混みようで、ろくに写真も撮れなかったことを思い出す。
5月24日現在で入場者数が40万人を突破したという。恐竜が何でそんなに子供たちに、そしてむかし子供だった大人たちにも人気があるのか、考えてみれば不思議なことである。本来ならば、巨大で異様な姿態に恐怖感の方が先にたつと思うのだが。
ぼく自身についていえば、子供時代から恐竜には好感をもっていた(笑)。きっと、それは少年時代の愛読書だった山川惣治作・画の”少年ケニア”に大蛇や獣たちと共に恐竜も登場していて、慣れ親しんでいたせいかもしれない。その後のゴジラ、モスラなどの怪獣映画の出現もまた、当時の子供たちに親近感をもたせたのではないだろうか。あるいは、ただ、子供たちは、もともと好奇心が強いわけだから、直接、危害さえ加えられなければ、喜んで、近づいていくということかもしれないが。
行列もなかった、恐竜展入口。その日、若冲展は200分待ち。

さて、恐竜展2016のいくつかの目玉展示(1~5)について、写真とメモで記録しておこうと思う。
1.スピノサウルスの謎に迫る
1912年に発見され、謎に包まれていたままだった史上最大の肉食恐竜スピノサウルス。2014年に発表された論文で、その生態が明らかになった。なんと、スピノサウルスは恐竜で初めて水中を泳いでいた可能性があるという。また、復元された全身骨格から、スピノサウルスは前脚に比べて後脚と骨盤が脆弱で、肉食恐竜では初めて四足歩行していた可能性もあるという。
スピノサウルスの全身骨格


スピノサウルスの口の先に多くの穴が開いている、これは中まで通じていて、水流などを感じるセンサーの役割を担っていたらしい。水上生活もできた証拠のひとつだという。

長野県の子供もこの恐竜の歯の化石をみつけました。


2.スピノサウルスとティラノサウルス 二大肉食恐竜が夢の競演
恐竜の中でも人気者のティラノサウルスと史上最大の肉食恐竜スピノサウルスが対峙する迫力の巨大空間がみられる。1991年にカナダで発見され、2013年に全身復元骨格が完成したティラノサウルス”スコッティ”。世界に3体しかない貴重な全身復元骨格のうちの1体が初来日した。
ティラノサウルス


両雄の夢の競演

3.赤ちゃん恐竜の初来日
世界でまだ1体ずつしか発見されていないカスモサウルスとパラサウロロフスの貴重な赤ちゃん化石の全身骨格が初来日!
大人の標本と共に展示され、恐竜の成長や恐竜同士のコミュニケーションなどの最新研究が紹介される。
カスモサウルスの赤ちゃん化石


パラサウロロフスの赤ちゃん化石


4.びっくり恐竜大集合
鳥盤類クリンダドロメウス
2014年にシベリアで見つかった新種の鳥盤類クリンダドロメウス。その胴体には、フサフサとした羽毛ある。これまでも羽毛様な構造を持つ鳥盤類は報告されてきていたが、鳥類の羽毛とは異なるとされてきた。クリンダドロメウスの羽毛は鳥類と同じ起源の羽毛ではないかと考えられている。恐竜はその進化の初期段階から羽毛をもち、恒温動物への進化をはじめていていた可能性がある、という。

チンタオサウルス 頭部から伸びる40cmの突起が特徴。

2014年にチリで報告されたチレサウルスは、肉食の獣脚類恐竜なのに、植物をすりつぶすのに適した歯をもち、植物食だったと考えられている。従来の恐竜研究の常識を揺るがすチレサウルスの全身骨格が日本初公開されたのに、写真を撮っていない。とほほ。
5.化石クリーニングの実際
採集した岩石から化石を取り出すプレパレーション(化石クリーニング)の実演もみられる。

以上、どれも、最新の研究成果というのがすごい。それも、子供たちにも喜ばれ、40万もの人がみてくれた。研究チームの方々の満足そうな笑顔が目に浮ぶ。
恐竜の進化の過程も勉強できる。

いろんな恐竜

鳥類への進化

孔子鳥の実物化石

最期は若冲の鳥で締めましょう。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で。たまには、恐竜のように、あたりをみまわしながら、のっしのっしと歩いてみましょう(笑)。