まろねふの廊下からの呟き

中年オヂさんの呟き転じて、人生備忘録となる…

直通ブレーキの…

2007年06月07日 | 泥沼より
ひろさまから、『直通ブレーキとは何ぞや?』との事なので、ウチの電車でご説明します。
直通ブレーキとは、元空気ダメに溜まった圧縮空気を、運転席の弁装置によりブレーキシリンダーに直接送り込みブレーキ力を得るシステムの事で、1両~2・3両で組成される車両に多く用いられました。
広電では大きく別けて、直通管のみで構成される『SM-3』方式と、非常制動管を設けた『SME』方式とに分ける事が出来ます。他にも電制を常用とした『SLED方式』、圧力制御を電磁弁により行う『HRD方式』があります。


SM-3方式の制動弁『PV-3制動弁』 650型

軌道線の旧型車はこの制動弁を使用しております。写真では最大圧力で停車ブレーキの位置でもある、『フルサービス位置』にハンドルがあります。


SM-1(?)方式の制動弁 琴電デカ1

何かの本で、SM-3方式より原始的な制動装置として紹介されていたのを読んだ記憶があります。この本によれば、ブレーキハンドルの摩擦面が大きく扱い難いとの事でした。名古屋市電の保存車の写真を見ましたが、まさか現物を平成の世の現役車両に見ることが出来ると思いませんでした。一度扱ってみたいですね(笑)


SME方式の制動弁『MA-18AE制動弁』 3006号

直通ブレーキに非常制動管を設けた制動方式の制御弁です。画像は広電3000型のものですが、琴電でも同じ形状の制動弁を用いております。
ハンドルの下のBOX内には、電気接点が設けてあり、ウチではATS関連の回路が、琴電では電磁弁の制御関係の電気接点があるそうです。


3100型の制動弁


2000型の制動弁

2000型や3100型の制動弁は、ブレーキ段の刻みがあり、JR車両のような『セルフラップ式』とは操作方法が異なります。というか、扱い方は広電独自の方法かも…
車掌時代に古い助役氏から、広電独特の扱い方が生まれた経緯を聞いた覚えがあります。


国鉄キハの運転席

偶然にも撮影できた、国鉄型気動車の運転席です減圧式の『自動ブレーキ』方式ですが、比較のために掲載しました。

知識が少ないのと、現場での影響を考えて、簡単な説明に留めておきました。
間違いなど訂正すべき点がございましたら、ご教示くださいませ。 宜しくお願いします。