今日はアヴィニョンから電車で20分のオランジェへ・・・
小さな小さな駅・・・でも、駅員は親切、トイレは大きくて無料だった。
オランジェには世界で最も保存状態のいいローマ遺跡、古代劇場がある。
紀元前1世紀末の建造物で、今も毎年行われる夏の音楽フェスティバルや
ロック、ジャズのコンサートに使われている。
驚いたのは、絵葉書で修復工事前の劇場を見た時だった。
現在の劇場
長年風雨にさらされ、風化の危機に瀕していたこの劇場に、
長さ61m重さ200トンのガラスの屋根を架けたのだ。
2006年6月に完成したという。
もちろん、座席や通路も古代の面影を残したまま修復されていた。
そして、この舞台の背後に建つ石壁は、ルイ14世が
「我が王国で最も美しい壁」と賞賛した、と言われるだけあって、
紀元前にどうしてこのようなものが建てられたのか、
考えられないほどすばらしいものだった。
日本語のオーディオガイドを聞きながら3時間近くこの中で過ごしたが、
興味深かったことは、単にラテンの文化を広めるだけでなく、
ローマ中央の威信を伝えるために、
ここで上演された数々の劇やパントマイムが、
バーチャルで見られるようになっていたことだ。
強大になり過ぎたローマがやがて崩壊し、1800年後半まで、
近隣の人達が自分の家を作るために、
多くの石材を使い放題のままだったらしい。
今もなお、その人達を立ち退かせ、
元の形にすべく修復が続いているという。
奢れる者久しからずや・・・・