夫がいつも「私の後年の大親友」と言っていた大槻文夫さんが
昨年8月22日にあの世へ旅立たれた。
リンパ癌が発症して3年足らずであった。
奥様はその間御自身のお母様の介護と
彼の介護で本当に大変な思いをされ、
彼の入退院の間の3月にお母様を亡くされ、
程なくして御主人を亡くされた。
私達夫婦は、絶対に彼が亡くなるはずがないと思い込んでいたので、
発症されてからもスキーや小旅行にお誘いし、退院後の海外旅行や、
我が家の小さな小さな庭でのバーベキュウパーティもお約束していた。
9ヶ月が経ち、ようやく、ずっとがんばっていらした奥様に、
何とかこれからもがんばってほしいという気持ちで「お約束のパーティ」を
最後まで、彼を気遣っていた数人の友人たちと開くことになった。
骨の生育の研究者で、都立大の名誉教授。
彼のすばらしい人柄、茶目っ気たっぷりの笑顔、
それぞれがたくさんの思い出を語って下さった。
「『何で、ママだけずるいよ!』と主人が言っているかもしれない。」と
笑っていらした奥様から、翌日、「その場に居られない夫は、
『悔しい、残念・・』と、おでこに腕を載せて力ない声で
独り言を言っていたと想像します。
自分の命の短さを察した頃からでしょうか、よく見かけた光景を
思い出してしまいました。」というメールが届き、
また、 参加者の一人、雅美さんは
「先生のお陰ですばらしいお友達が出来ました。」とメールを下さった。
人の縁の深さ、大切さをまたあらためて知った一日だった。