ドイツ州議選、脱原発 野党が躍進
緑の党、初の州首相か
福島第1原発の事故を受け、原発政策が最大の争点となったドイツ南西部のバーデン・ビュルテンベルク州議会選挙が27日行われ、原発の早期廃止を 求める90年連合・緑の党が得票率24・2%で、議席を36議席と倍加し、第2党となりました。第3党の社会民主党との連立で、緑の党が初の州首相を出す 見込みとなっています。(片岡正明)
暫定集計結果によると、メルケル首相が率いる民主同盟は第1党を維持したものの、前回比で5・2ポイント減の39%で60議席。同じく国政与党の 自民党は5・4ポイント減の5・3%で7議席にとどまり、同州で連立を組む両党の合計議席は半数を割り込み、民主同盟は1953年以来の与党の座を失う見 込みです。
社民党は2・1ポイント減の23・1%で、35議席でした。
ドイツでは原発早期廃止を求める運動や世論が高まっており、その世論が環境重視の緑の党を後押しする結果となりました。
ドイツには17基の原発がありますが、バーデン・ビュルテンベルク州では4基の原発が稼働中。ドイツでは、バイエルン州と並んで原発が多い州です。
メルケル首相は、福島第1原発事故を受けて、すでに決定していた原発稼働延長計画の3カ月凍結を発表していました。しかし、連立相手の自民党出身 のブリューデレ経済技術相が財界団体の会議で、首相の表明は「選挙対策だ」ともらしていたことが発覚。強い批判を受けていました。
同日、選挙が行われたフランス国境のラインラントファルツ州でも緑の党が得票率で15・4%と前回から3倍化し、18議席を獲得。同州第1党の社民党と連立政権を組む見通しです。
左翼党はバーデン・ビュルテンベルク州で得票率2・8%、ラインラントファルツ州で3%と、足切り条項の5%を下回り、両州での初の議席獲得はなりませんでした。
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