最初の本と、最新刊の特別編を紹介します。
素敵な絵のかずかずを紹介できないのは残念ですが、
本の帯と、と、前書きのターシャから読者へのメッセージと、
もくじと、それぞれの章で、こころに残ったページの言葉を、
すこしだけおすそ分けします。
『思うとおりに歩めばいいのよ ターシャ・テューダーの言葉』
(ターシャ・テューダー著/メディアファクトリー/2002)
自信のない子供だったのに、こんなに大胆不敵な87歳になってしまったわ。
バーモントの山奥で、ガーデニングと動物とのナチュラルライフを満喫する絵本画家ターシャの、自由な精神あふれる言葉の宝石箱。
「わたしの絵や絵本が日本のみなさまに愛され喜ばれていることを、とても嬉しく思っています。
わたしは、ほかの方に「どう生きなさい」と、アドバイスするようなものは持ち合わせていませんが、
自分がどう生きてきたか、
自分がどう生きたいと思っているのかという哲学はもっています。
そんなわたしの生き方に、日本のみなさまが、
興味を持ってくださるとしたら、そんな価値があるとしたら、
わたしには二重の喜びです。
--ターシャ・テューダー」
Ⅰ 幸福とは心が充たされること
心は一人ひとり違います。
その意味では、人はいつも"ひとり"なのよ。
Ⅱ 世界を好きなように造れる職業
一生は短いんですもの。
やりたくないことに時間を費やすなんて、もったいないわ。
Ⅲ 子どもの気持ちは、ちょっとしたことで楽しくなる
親が子どもにしてやれることで、特に大切なのは、
子ども時代に楽しい思い出をたくさん作ってやることです。
わたしは成功したと思います。
子ども達に聞いてみてちょうだい。
きっと、そうだと言うでしょう。
わたしは子ども達のために、
あたたかい家庭を作りたいと思いました。
子どもの気持ちは、ちょっとしたことで楽しくなるものです。
Ⅳ ガーデニングとガーリックと山羊の乳
庭の植物は全部好きよ。
それぞれに好さがあって、どれもかわいいわ。
Ⅴ 価値のある良いことは、時間も手間もかかるもの
手作りのプレゼントは,贈り物を二回するのと同じ。
手作りする行為と、プレゼントそのものとで。
ミトンやソックスを編むのは、
みんなの手足がいつも暖かいようにと願うから。
いちばん大事なことですもの。
Ⅵ 死さえ怖くないのは、人生に悔いがないから
人には、自然とのふれあいが必要です。
わたし達はみな宇宙の一部なの。
宇宙を傷めることは、自分の体を傷つけているのと同じことよ。
『生きていることを楽しんで ターシャ・テューダーの言葉 特別編 』
(ターシャ・テューダー著/メディアファクトリー/2006)
私はいくつに見られようと平気よ。今の自分にできることをすれば、91歳でも堂々と生きられるわ。
憧れの絵本画家ターシャが自らの価値観を余すことなく書き下ろした特別編。本編の写真はすべて2006年に撮影。
だれでも十代の頃は、すばらしい未来を夢見、どんな冒険が待っているのだろうと、胸をふくらませたことでしょう。わたしもそうでした。
おとなになり、結婚をし、子どもが生まれてもまだ、未来は大きな神秘に満ちていました。
やがて人生も半ばを過ぎる頃、ふと振り返ってみると、わたしはいつの間にか、その大きな神秘を歩んできました。
日々の喜び、わくわくするような小さな成果の積み重ね、家族や友人との心温まる交流--それこそが、人生という航海で出会う冒険の数々だったことに気づいたのです。
身の回りのちょっとした出来事の中にある大きな喜びに目を向けてみると、人生ってすごい冒険だと思わずにはいられません。
--ターシャ・テューダー
失敗や間違いを犯さない人など、いません。
がっかりしてあきらめてしまうという選択もあるけれど、
それから学び、未来を信じて希望を持ち続け、
前を向いて歩んでいくという選択もあるのよ。
Ⅱ 老いていく自分を慈しむ
何事にもそれに適した季節があります。
若い人たちには若い人の季節があり、
高齢者には若者とは違う季節がある。
それぞれの季節に楽しめることを見つけようとすればいいのでは?
Ⅲ わたしを育ててくれた人達
グウェンおばさんは、いつまでも子どもの心を持った楽しい人でした。
いくらでも本を読んでくれたし、
子ども向けの劇を作り、演出してくれたりしました。
夜遅くまで起きていてもかったし、
チョコレートを好きなだけ食べていいといわれたこともありました。
両親の仕事の忙しさや離婚で、
家庭的なぬくもりを知らなかったので、
グウェンおばさんの温かい家庭は、夢のようでした。
グウェンおばさんには心から感謝しています。
Ⅳ それぞれの子どもに、それぞれふさわしいことを
親が、自分ができなかったことを、
子どもにさせてやりたいと思う気持ちはわかりますが、
その結果、子どもに干渉しすぎるようになっているのは残念なことです。
子どもは、のびのびとした楽しい子ども時代を過ごし、
その間に自分で感じ、考え、夢を見、決断し、実験する必要があるのです。
子どもは大人のミニ版ではないのですから。
Ⅴ 完璧なのは咲いたばかりの花くらい
家事も仕事も完璧になんて、いくわけがありません。
そもそも、わたしには、完璧にこなしているものなんて、ひとつもないわ。
ただ、問題が起きたらそれを克服しようとベストを尽くし、
仕事では絵の腕を上げようと努力しているだけ。
だいたい、世の中に、完璧なものなんて、まずないでしょう--
完璧なのは、開花したばかりの花や、
生まれたての赤ん坊くらいじゃない?
Ⅵ 自分の家を好きなようにできる一人暮らしの楽しさ
わたしにとって、自然とは、
植物、コーギ、ヤギ、初春の若葉、川の流れ、
美しい満月、秋のブナの紅葉、
雪の汚れのなさ・・・挙げきれないわ。
Ⅶ 絵本作りと旅
想像は人生に欠かせないものです。
想像がなかったら、世界は、味気ないこと極まりないでしょう。
人生の楽しみは半減し、文学や芸術、発明も、滞ってしまうでしょう。
Ⅷ この世は生きている人のもの
生きていれば、落ち込むこともあります。
状況を好転できると思ったら、ぜひ努力すべきです。
でも、変えられないなら、
それを受け入れて歩み続けるしかありません。
何があっても「生きてることを楽しもう」という気持ちを忘れないで。
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完璧なのは、咲いたばかりの花くらい
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