参議院選挙で、主権者である国民が参政権を行使して、
現政権に明確に「不信任」突きつけた結果である。
わたしも、もちろんそのひとりだ。
昨夜は参議院選挙の開票速報を深夜まで見ていた。
自民・公明の惨敗を確認してから寝て、
今日は起きてすぐからさっきまで、朝刊5紙をすみずみまで読んでいた。
というのは、昨夜11時ころ、
安倍首相が早々と「続投」を表明した直後、中日新聞から電話があった。
安倍首相の続投表明を受けて、
きゅうきょ朝刊に東海地方の有権者の声を載せる企画をしたので、
「安倍首相の続投をどう思うか」を聞きたいということだった。
「あきれました。
そもそも、開票も終了してない時点で、早々と続投を表明するとは、
あまりに非常識で信じられない。
どんな負け方をしても辞めないということを決めていたのでしょう。
安倍さんは、続投して「責任を果たす」というけれど、
有権者が唯一、意思表示ができる投票という行為で、
有権者のノーの意志が明確に示されたのだから、
トップの首相が責任を取ってやめるのが当然。それが政治家の責任の取り方。
閣僚が辞任しないのも無責任だと思っていたが首相がいちばん無責任。
民意というものがまったく分かっていない。
このまま、やめないで続けるということなら、
国民の怒りはさらにまして、支持率はどんどん落ちるでしょう。
参議院選挙が政権選択の選挙でないというなら、
ただちに、解散・総選挙をすべきです。」
という趣旨のことを話した。
何人かに聞くので、スペースの都合があり全部は載せられない、
ということなので、適当にお使いください、とお任せした。
首相続投「責任果たす」、有権者「潔くない」と対比させた記事が載った。
他の方の意見とともに載ったわたしの意見。
岐阜県山県市西深瀬、市民グループ運営スタッフの寺町みどりさん(55)は「国民がノーを示したのに、責任をとらないのは信じられない」と批判。「これで辞めなければ国民はもっと怒り、支持率はどんどん下がっていくのでは」と話した。
激戦の東京選挙区では、無所属の川田龍平さんが当選した。
政党の支持や推薦を受けない「完全無所属」で当選したのは、
彼だけではないだろうか。
わたしは、都民じゃないけど、昨年の長野以来、なんどか龍平さんにお会いし、
当選して欲しいと願っていたので、とってもうれしい。
文字通り市民の勝利。
川田龍平さん、いっしょに闘ったみなさん、おめでとう!
地元の岐阜県選挙区では、予想通り、
自民の藤井氏と民主の平田氏が当選した。
山県市では、平田市の得票の方が多かった。
ところで昨日、
二日間の「議員と市民の勉強会」(「む・しネット」主催)終えて帰ってきたら、
『女性情報』7月号(パド・ウイメンズ・オフイス)が届いていた。
先月「ポジティブな女たち」をテーマに、
わたしがかかわっている「む・しネット」の活動について
依頼されて書いた原稿の、掲載誌だ。
参議院選挙まっただなかの7月23日発行ということだったので、
発行人のリクエストも考慮して原稿を書き、以下のような記事になった。
『女性情報』ポジティブな女たち
さまざまなマイノリティが生き延びるために
寺町みどり(てらまち・みどり)
わたしはいま、「無党派・市民派」の女性を議会に送り、自治体政治の現場で市民自治を実践するための運動にかかわっている。わたし自身は、1991年から4年間、自治体議員として働いた。有機農業をしながら、女性や子ども、障がい者、在日コリアンなどのマイノリティの運動、環境・教育などの市民運動をしてきたわたしは、運動のなかで理不尽な政策に憤りを感じ、「政治をかえよう」と決意して議員になった。
その思いをより多くの女性たちと共有したいと、2000年6月に、「女性を議会に 無党派・市民派ネットワーク(む・しネット)」を立ち上げた。「女なら誰でもよいわけではない」と既存の政党や組織、保守派と一線を画したユニークな活動は、女性議員の「数」を増やす運動が主流だった発足当時、女性を分断するのかと批判された。
「む・しネット」は、代表もいないし総会もない、文字通りのネットワークで、「先を歩いた人があとから来る人を支える」という理念をかかげ、無党派・市民派の議員と市民をゆるやかにつないでいる。スタッフは立候補制で、わたしは情報発信をしたいから通信の編集・発行と、人と人とをつなぐ事務局を担当している。個別の事業の企画・運営も「やりたい人がやる」プロジェクト方式。講演会や公開講座、「議員と市民の勉強会」、福井の「ジェンダー図書」排除事件や「選挙公営」問題の取り組み、「女は産む機械」発言に抗議しての申し入れ書提出、などの行動もしてきた。
2002年、わたしは上野千鶴子さんのプロデュースで『市民派議員になるための本』(学陽書房)を書いた。第2部「勝てる選挙」では、従来型の選挙とは違うネットワーク型の「市民型選挙」を提唱し、多くの市民派女性議員が誕生した。この4月の統一選に向けての「選挙講座」でも、候補者から市民にメッセージをことばで伝える実践的なスキルを伝え、参加者は全員当選を果たした。とはいえ、「女性議員の“数”が増えれば政治が変わる」わけでもない。わたしは当選した市民派議員が、少数派としてかくじつに「議会で働く」ために、法や制度を味方につけて言葉と論理でたたかう手法とスキルを伝えたいと、年4回の「議員と市民の勉強会」合宿の講師も引き受けている。
「議員になる」ことは、「わたしの問題」を解決するための「ひとつの手段」。政治は、一人ひとりの市民が、しあわせに、自由に、よりよく生きるためにこそある。
2003年11月、市民派議員に呼びかけてフォーラムを開催し、延べ10時間に及ぶ議論を『市民派政治を実現するための本』(コモンズ) にまとめた。この本でわたしは、「『市民の政治』とは、市民自治を基本に、市民自身が、政策を立案し、行政の仕事を担い、市民自身がみずからのニーズを満たすことができる政治」と書いた。
その続編ともいえる上野千鶴子さんの講演会を、来る12月2日(日)午後に「む・しネット」主催で企画している。タイトルは「市民セクターをつくる~さまざまなマイノリティが生き延びるために」。自治体の制度を見通せるようになったいまのわたしは、間接民主主義の議会や行政を経由せずに、市民がダイレクトにニーズを満たすことに関心があり、「公」でも「私」でもない「協(市民)セクター」に、「市民の政治」の可能性と希望を見出している。
わたしにできることは、国政では、現政権に対してNO!の一票を投じること。足元の自治体では、議会や行政を変えるための運動を続けること。いまここで「わたし」のニーズを満たす、「弱者が弱者のままで生き延びるためのシステム」をつくることができたらどんなにいいだろう。そのためにも、わたしは政治をあきらめない。
(『女性情報』7月号より)
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「上野千鶴子さん講演会」は、
12月2日(日)午後1時から「ウィルあいち」大会議室にて開催。
講演会の参加を希望される方は、
参加者の住所・氏名・連絡先を明記して、
口座番号 00880-5-35806
加入者名 市民派議員アクションフォーラム
まで、郵便振替で参加費1,500円を事前にお送りください。
参議院議員選挙も終わり、「議員と市民の勉強会」も終わって休む間もなく、
12.2「上野千鶴子さん講演会」の準備と、
『む・しの音通信』62号の編集に突入です。
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