もっぱら「ワタシ食べる人」だったのですが、
お世話になった方に自然薯と野菜をお送りしようということで、
久しぶりにふたりで畑に出ました。
今年は秋の気温が高くて、葉物はけっこう虫に食われてたのですが、
モンシロチョウのえさになるキャベツの仲間は
不織布のトンネルをかけておいたので無事のようです。
冬獲りキャベツ(グリーンボール系) 珊瑚礁(ロマネスク)
子持ちカンラン(芽キャベツ)
野菜を収穫してから、自然薯(ジネンショ)を掘りました。
この自然薯は、連れ合いが丹精こめて育てているこだわりの作品で、
つれあいのカメラが動かなくなったので、
わたしは撮影班兼おうえん団です(笑)。
自然薯は、春に受け皿の上に種芋を植えると、
その養分を吸って、今年の芋がパイプの中に伸びていきます。
連れ合いが土を手でどけていき、そうっとパイプを引き上げると、
ほら、こんなに大きな自然薯が出てきました(これで一株)。
自然薯はこんな風に少しずつ重ねて、ずらして植えてあります。
パイプからはみ出して、芋が地中深く入っているのは
ショベルで掘っても、なかなか手ごわいです(笑)。
二人で慎重に持ち上げましたが、尻尾だけ折れてしまいました。
パイプの長さが110cmですから、パイプからはみでて、
地中に入った分を足すと、150cmくらいはありそうな大物です。
30分ほどで、15本ほどの自然薯を掘りました。
パイプ栽培じゃないときは、一本を掘るのに汗だくで
30分ほどかかってたので、ほんと夢のようです(笑)。
掘った自然薯は乾燥しないように、すぐにシートをかけます。
こちらは、別の場所に植えた、むかごから育てた2年物の山芋。
波トタンに沿って、いい感じでお行儀良く並んで伸びています。
むかごを伏せこんでほっておくだけで、2年待てばこんなに育つのですから、
これはひょっとしたら、パイプ栽培より楽かもしれません。
ということで、来年はもう少しこのやり方を
増やそうということになりました。
とはいえ、収穫は3年後ですから気の長い話です。
収穫したじねんじょは、すぐに水をかけて土を落とします。
ちまたでは、泥付き野菜がよいと思われていますが、
実は、根菜類は泥がついたままだと乾くと落としにくくなり、
皮まま食べる自然薯では、汚くなる上にジャリジャリします。
自生のものより比較的お行儀がよいとはいえ、
曲がりくねった自然薯の土を、傷をつけずにきれいに落とすには、
強水圧で洗い流すのがいちばん。産地でもこうしているようです。
洗った自然薯は、乾燥させないようにして、
湿った籾殻の中に保存します。
これで、お正月のお餅を食べすぎても大丈夫。
生の自然薯には、強力なでんぷん分解酵素が含まれているのです。
収穫した自然薯は、お肌と同じく乾燥が大敵。
自然薯は、他の山の芋より細くて皮が薄いので、
乾燥させるとしなびて食味も落ちるし、高温すぎても腐ります。
土中と同じ環境にして、低温で湿気を保てば春まで持ちます。
自然薯の食べ方と保存の仕方
自然薯レシピ52品
収穫した野菜たちにも、水をかけてやりました。
フレッシュ野菜の少ない冬の葉物野菜は
生き生きとおいしそうです。
写真をクリックすると拡大。その右下のマークをクリックするとさらに拡大
「一期一会」にクリックを
おまけ。
隔週で朝日新聞に連載のつれあいのエッセイ「いきいきセカンドステージ」
自然薯編、「パイプ栽培 楽しく手軽」(12月5日)再掲します。
いきいきセカンドステージ 【寺町 知正さん】 パイプ栽培 楽しく手軽 朝日新聞 2007年12月05日 粘るイモを二十数年前から作っている。 このイモの仲間は、中長や扇形のヤマトイモ類、球形のマルイモ類、細長いヤマイモ類。ヤマイモは、大ざっぱに言えば3タイプある。山野に自生する本物のジネンジョ、粘りが比較的少なく最も商品化されているナガイモ、両者の中間的な形や性質のヤマイモだ。 私は長年、ヤマイモを主体に作ってきたが、掘り出すのが大変だ。スコップの長さほどにも伸びていたら、真冬でも汗が出る。 3年前の春、水道管を細工したような灰色のパイプを見かけた。想像をかき立てる形状。作り方を調べた。長さ1メートル以上のパイプをゆるく斜めに埋めるから収穫しやすい、その発想と理屈に驚嘆した。 さっそく植え付け、年末に初めて掘ってみたら、なんと手軽で楽しいこと。長さ1メートル前後のイモがスッ、スッと掘れる。パイプ栽培にはまった。 今年はジネンジョの種イモを通信販売で60本も手に入れ、植え付けた。先日、試しに掘ってみた。数本のつもりがホイホイワクワク楽しいから、続けて15本も抜き出してしまった。もちろん、味は絶品だ。 畑の仕事は、作付けも収穫も楽しい。中でも、この「ヤマイモのパイプ栽培」なら、収穫の喜びも最高級だ。この横に長く作る山芋は、やせた畑でもどこでもできそうだし、農の暮らしにメリハリを付けるには持ってこいだ。 ヤマイモ類の植え付け適期は春の桜の花が咲く頃。この連載が続いていれば、その時期に改めて作り方のカンどころや妙味を紹介したい。 ともかく、楽しみは待つものではなく、自らつくり出すもの、というのが私の持論だ。 |
最後まで読んでくださってありがとう
「一期一会」にクリックを
明日もまた見に来てね